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2010-02-22
オリンピックは見てられない
月並みですが、バンクーバーオリンピックが始まりました。
アメリカに来て、かれこれ20年。
日本で見ていたオリンピックよりもアメリカで見ている
オリンピックの方が多くなってきた。

当然の事ながら、テレビでみているとアメリカ選手を中心に放映される。
もちろん日本人なので、日本の選手を応援したくなるはずだが、
人間というのは不思議なもので、メディアを通して見ていると、
いつの間にかアメリカ選手も応援したくなる。

なので、心の中で日の丸と星条旗の両方を振ってる感じなのかもしれません。

そして、毎度のことながら思うことは、とにかくすべての選手が
100%力を出し切って欲しいなあ~と思う。

特に冬季オリンピックの場合、自然環境に影響される競技が多いので、
運に左右される比率が高い。
自分の力を出し切れず失敗した選手なんかを見ると本当につらい。


スキー大回転でたまたまあったアイスバーンに足を取られて転倒。
スキージャンプでたまたま追い風が吹いて距離が出ず。
アポロが出ているショートトラックなんかは、前の選手が転倒したら
もうおしまい。
フィギュアースケートは、あまり自然環境には関係ないかもしれないが、
大観衆の前で10代の選手がしりもちをついてしまうシーンなんかは
もう心が痛くなる。

「運も実力のうち」なんて言葉で終われないのがオリンピック。

この日のために4年間という長い年月を費やしてきた選手の気持ちを思うと、

「もう一回やらせてやれ~~」

と叫びたくなる。


という事で、オリンピックは私にとっては、感動の舞台というよりも、
「神様のいたずら」を思い知らされる舞台なのである。




鈴木
2010-02-15
マンハッタンの醍醐味?
2月12日に開幕となったバンクーバー・オリンピックは、
もちろんアメリカ人選手の活躍もありますが、
スノーストームの影響で家にこもっている人々が多く、
以外にも高視聴率を獲得している事が伝えられています。

私は天気のせいで家にこもっているのも癪なので、
友人に誘われ、Off Off Broadwayのプレーに行ってきてみました。

クラシックやジャズコンサート、そしてオペラは大好きなのですが、
ミュージカルは商業用エンターテイメントの匂いがプンプンするので、
そういうものを楽しみたい気分で無い限りは、
何となく”Broadway”と付くものは、避けて来たのですが。

たどり着いた先は、ミッドタウンの西の外れにある、
何の変哲も無い普通のアパート。
どう考えても住所を間違ったに違いない、と思いました。

ところが、ベルを押して中へ入り、階段を上がって扉を開けると、
そこはレセプションで、真っ白な壁に大きな絵が幾つも飾られ、
ろうそくの光で照らされている空間でした。

隣の部屋がステージになっていて、席は40席弱ほど。
俳優の息遣いが聞けるほど舞台に近く、内容も構成も、
そして演技も素晴らしい!そのクオリティーの高さに驚きました。

本物が凝縮されているマンハッタンでは、
お金を出せば、間違いなく楽しめるものがたくさんありますが、
工夫次第ではお金をかけなくとも、面白いものに出会えるのが
醍醐味だと思います。

ところで、久しぶりにチェルシーマーケットに買出しに行き、
キャッシュを使って買い物をしましたが、
やたらと5ドル札のおつりが多い。
まだまだ不況が続いているのだと、実感せざるを得なかったのでした。
(5/15/2008のブログを参照)

物価が高いマンハッタンで楽しむには、当面工夫を強いられそうです。。

追伸:
先週木曜日には天才と呼ばれたイギリスのファッションデザイナー、
アレクサンダー・マックィーンが40歳の若さでなくなりました。
冥福をお祈りいたします。

松浦
2010-02-09
かもめ食堂
皆さん、こんにちは。
アクタスの奥村です。

先日「かもめ食堂」に行ってきました。
日本人女性のサチエさんが店主をつとめる食堂の看板メニューはおにぎり。その他にも、豚のしょうが焼き、鮭の塩焼き、トンカツ、など、出てくるごはんは、素朴ですが、どれも本当においしそう。一つ一つ心を込めて作られたおいしいごはん、見ているだけで心がほっとする、しあわせを感じることができる、そんな食堂。それが、フィンランドにある「かもめ食堂」。ご存知でいらっしゃる方も多いかと思いますが、「かもめ食堂」はフィンランドが舞台の日本映画です。映画を見ただけで、何だか実際にそこに自分もいるように感じる、心があたたまる映画。そして、何よりも、おいしいご飯を作る人は偉大だ、と感じる映画でした。

フィンランド。
人口とGDPは日本の北海道とほぼ同じという小さな国。フィンランドといえば、北欧家具、森、ムーミン、携帯電話のノキア、その他ですと、エアーギター選手権や奥様運び大会といった奇妙な世界大会で有名な国。もっと調べてみると、フィンランド人にはシャイな人が多いそうで、映画のワンシーンからもそれが伝わってくるのですが、目新しいものに対して警戒心が強く、でも好奇心は旺盛なので、一歩踏み出すまで時間がかかるものの、初対面の人とも話出してみると打ち解け始める、という感じ。また、謙虚で自己主張はあまりせず、控えめであることを美徳とする文化や、人からほめられても素直に喜ばずに謙遜する傾向があったり、感情を口に出さない寡黙な人が多かったり、などなど、調べれば調べるほど、何だか日本人に似ているなあ、と思いました。映画の舞台がフィンランドなのも、もしかしたらフィンランド人と日本人の国民性に共通点があるからでしょうか。

スローライフ、家族との時間を大事にする、簡素だけれども幸せな生活。もちろん映画なので美化されている部分もたくさんあるとは思いますが、それでも、忙しい毎日に追われる中で、料理一つをとっても、シンプルなことだからこそもっと大切にしたい、と改めて思いました。そして、この映画を観終わったら、きっと「おにぎりを作ろう!」って思うはずです。私も、映画を観た次の日の朝ご飯はおにぎりでした。

奥村真知子
2010-02-01
ライ麦畑でつかまえて
私は仕事以外は、自分の感性に頼って物事を決めて生きているところがあります。感性、とカッコイー言葉で書きましたが、いわゆる心の底の底で、好き!とか嫌い!とか感じることで物事を選択して生きてきている単純な生き物です。

でも、単純ながらに、少しだけですがちゃんと自分なりには筋のある好き嫌いであるようなことがこのところ判明し、自分でもへぇ~え~なんて、感心したことを今日はご披露しようと思います。先週の上司のブログに続き、本当にたいしたお話ではないですが。

ところで、ニューヨークに住んでもう結構長くなってしまいましたが、ニューヨークはすごいところだとつくづく思うことが未だにあります。

例えば、もうものすごく昔の話になりますが、その昔あった「まるちゃん」という定食屋さんにランチを食べに行って通された席の隣に日本が誇るあの世界の小澤征爾さんがお一人でいらっしゃってご飯を食べておられたこともありますし(小澤さんのことを小澤さんとわかっていらっしゃったかどうかわかりませんが、大学生アルバイトっぽいウェイトレスさんは普通に小澤さんからお金をもらい、小澤さんは偉ぶるところひとつなく、しかもとっても丁寧に気持ちよくアルバイトの女の子にお礼をおっしゃっておられました。大物はさすがです。だいたい、「まるちゃん」という定食屋さんで小澤さんがお昼ご飯を食べるのも素晴らしい!)、ティファニーの階段でヨーヨー・マさんとすれ違ったこともあります。ちょっと思いついた例が音楽関係のお2人でしたが、ジャンジョルジュでご飯を食べていて遠くに見かけた、というわけではなく、小澤さんは「まるちゃん」、ヨーヨー・マさんはティファニーでしたけど、階段です。こんなところにこんな偉人が普通に存在するからニューヨークはすごい。そうそう、思い出しました。音楽に関係のない人の例ですが、この間、あるアップルストアーに行ったら、ジョン・スチュアートさんがお子さんと一緒にお店のマックブックで遊んでいました。とにかく、こういう普通のところにこういう人たちが普通に出没し、そしてニューヨーカーは彼らを普通に受け止めるのが礼儀と心得ているのがまたすごい。だから、私も「小澤さんですか?ファンなんです。」なんてとってつけたようなセリフを口にせず、ニューヨーカーを気取って、ツトメテ普通にふるまいましたけれど。でもほんとのところ、ツトメテ普通にふるまっていた以上に、小澤さんを目の前にして何も言えなかった、というのが事実かも。

で、先週の月曜日の夜、うちの近くのBarns & NobleでPaul Austerという作家のイベントがありました。大ファンな私は数週間前から楽しみに楽しみにしていた最近のどきどきな出来事でした。いそいそと早めに出かけ、本を購入すれば先にイベント会場に入場できる、というので、これまたいそいそと本を購入。本を購入する、という支出はあったものの、Paul Austerさんが生で目の前で語ってくれるイベントがうちのすぐ側でなにげなく行われ、しかももちろん無料です。Paul Austerさんは、あまり小説にご興味のない方はご存知ないかもしれませんが、とても有名な作家です。その不思議な世界に私は限りなく魅了されており、彼の世界と村上春樹さんの世界がなんとなく同じような色をしているように思っているのですが、もちろん私は村上春樹さんの大ファンです。ま、それはおいておいて。このイベントはある有名な、作家へのインタビューで構成する雑誌の編集者がPaul Austerさんにインタビューする、というスタイルで行われたのですが、その中の質問のひとつに、「あなたが最初に感銘を覚えた小説は何ですか?」というものがあり、彼は13歳の時に読んだ、The Catcher in the Ryeだと答えました。ものすごい衝撃を受けて、小説がこんな影響を人に与えることができるのだったら、自分は絶対小説を書きたい、と思ったのだそうです。ご存知な方も多いと思いますが、出版された当時はかなりの物議を読んだ同作品、J.D. Salingerという作家によって書かれた小説で、日本語にも「ライ麦畑でつかまえて」というタイトルで翻訳されています。私は日本の大学で勉強をしたことで、このサリンジャーという人の世界に出会い、ライ麦畑はもちろんのこと、すっかりサリンジャーファンになりました。(日本の大学生は勉強をしないと決め付けちゃダメですよ!)その後、あることがきっかけで村上春樹ワールドにはまり、ポール・オースターの本に出会ってやっぱりポール・オースターワールドにはまり、その原点がサリンジャーにあったのかもしれない、と先週の月曜日の夜、マンハッタンアッパーイーストサイド86丁目のBarns & Nobleで私はそう思ったのです。そして村上春樹さんもこのThe Catcher in the Ryeを翻訳しています(私はまだ読んでいないのですが)。ほら、ね。つながった。好み、というのはあるものだ、とつくづく感心し、そして、村上春樹ワールドやポール・オースターワールドをこよなく愛する私の感性の原点がサリンジャーにあったことに私はとても心地のよい感動と満足感を覚えたのでした。

買った本を手に持って、サインをもらう列に並んでいた時は、頭の中で、私はもう15年以上もあなたの大ファンで、日本にいた時にあなたの本に出会ってそれ以来あなたの素敵で不思議な世界にはまっています。だから、夢で会いましょう、って書いてください、なんて言おうとか思ってさんざん練習していたものの、実際にポール・オースターさんの前に立ったら、わきまえている(?)ニューヨーカーの私は、Thank youしか言えず、私の本にはPaul Auster(サイン)しか書かれず、この一大イベントは幕を閉じました。でも、やぱり、ポール・オースターさんにThank youと言えたのはニューヨークならではであり、ここはやっぱりすごいところだと、今でもそのことを思い出すとドキドキしています。

そして、先週、J.D.Salingerはもう何十年も人を避けて暮らし続けていた山の中の家で静かに息をひきとりました。享年91歳。純粋と変わらないものとやさしさと救いを追求した人だと私は思っています。

((大矢))