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2012-03-26
金融システムがつくり上げた不正取引トレーダーたち
最近、私の知人の勤務先である米系某会社のNY支店で、同社の凄腕トレーダーによる損失事件があり、「会社が危なくなってきたよ。家族にどう説明したら良いか分からない」とその知人がこみ上げる怒りをこらえきれず泣いて私に訴えていました。

損失を出したトレーダーXは、2010年以降から去年の暮れまで、コンピュータを駆使して自動売買を繰りかえす高速売買取引と呼ばれるアルゴリズム取引を活用して好成績で継続的に会社に利益を生んできた人物だったそうです。

2年前の「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれる相場急落が起きて以来、米規制当局はアルゴリズム取引を手掛けるトレーダーの監視を厳重にしてきました。そのおかげもあり、トレーダーXの無許可の不正取引は発覚したものの、損失額は勿論、今後のスキャンダル問題の恐れ等もあり、近日中に知人の支店閉鎖が決まったという事でした。

仏銀ソシエテ・ジェネラルに銀行業界で史上最悪となる49億ユーロ(当時約71億6000万ドル)の損失をもたらしたトレーダーをはじめ、1995年に英ベアリングス銀行のシンガポール法人の 元トレーダーが8億ポンド(当時約約14億ドル)以上の損失を出し、同行を破綻させたニック・リーソン氏や大和銀行でNYの元国債トレーディング責任者として11年間未承認取引を続け損失を出した井口俊英氏も含め、皆、共通した気質があると英紙ファイナンシャル・タイムズの関係者は語っています。お金を失くした時点で、損失を認めたくない気持ちは誰でもありますが、上記で述べた人物たちはその意欲が極度にあり過ぎる傾向だと述べています。

ここで少し心理的な話をしましょう。次のような状況を考えて見て下さい。

A) 1000ドルを確実にもらえる
B) 50%の確率で2000ドルもらえるが、50%の確率で何ももらえない

この場合、あなたならどちらを選びますでしょうか。期待値は同じですが、多くの人たちはAの前者を選ぶでことでしょう。理由は、何ももらえないという後者のリスクを回避したいからです。

しかし既にお金を失っている状況では、

A) 1000ドルを確実に失う
B) 50%の確率で2000ドルを失うが、50%の確率で何も失わない

この場合、多くの人はBの後者を選ぶでしょう。理由は、50%の確率で何も失わないのなら、そのリスクをあえて取りたいと思うのが私達の心理だと、ノーベル経済学賞受賞者であるKahneman と Tverskyのプロスペクト理論で語られています。誰でもこのような心境に陥ることはあり得ますので、上記で述べたトレーダー達の気質を、私達は決して否定できるものではないことが分かりますよね。

不正取引トレーダーたちのもうひとつの共通する点は、雇用主が従業員に対して、不正行為がより起こりやすい職場環境を意図なくしてつくっていることだとある専門家は語っています。

自己の裁量で自由に設定することを認めさせたり、本社の監視の手が届かない海外支店で勤務させたりと、トレーダーたちは常に誘惑のある環境に向き合っていることは確かでしょう。

例えば、仏銀ソジェンのトレーダーのケースでは、事務部門からわずか2年前に移ってきた若手トレーダーが、主に欧州株価指数の先物で500億ユーロ(当時約720億ドル)近くものポジションを抱えたことにより、追証額(追加証拠金額)が巨額になっていた時期もあったそうです。もっとも不正が発覚した時点での損失は15億ユーロだったそうですが、抱えていたポジションを反対決済した結果、49億ユーロになったということでしたが、何故、ここまで巨額に膨れ上がるまで発覚しなかったのか色々と疑問が沸きます。

また私の知人の会社を閉鎖にまで陥れたトレーダーXも、会社の方針では日計り取引のみといわれていたにも関わらず、この人物は、その日のうちに決済せずに、翌日までポジションを持たせることを許されていたと知人は語っていました。

仏銀ソジェンのトレーダーにしても、トレーダーXにしても、雇用主側が不正行為の起こしやすい環境を提供していることは明確ですね。自分の部下を信頼するということと、任せきりや丸投げするということが異なる事を雇用主側は充分に理解するべきでしょうね。

会社の過剰な期待に応えるべく、追いこまれてしまい、結果、犯罪に手を染めるトレーダーたちこそ、金融システムがつくり上げた犠牲者そのものではないでしょうか。
M.A

2012-03-20
Coffeeマニア 体験記
もうNYはすっかり春の陽気ですね。今年の冬は暖冬でした!
ですので今年は厳しくなかったのですが、基本的に私は冷え性で、足の先などすぐに冷たくなってしまいます。改善するために何かした方がいいなぁ。。。と冷え性について調べてみたところ、冷えに良くないといわれる食べ物及び飲み物は、チョコレート、ケーキ、コーヒー、炭酸飲料だそうです。
私はこれらを食べて飲んで生きてきたようなものなので、冷え性は当然の結果。そしてこれらを断つのは非常に辛いことであります。ただこの中で順位をつけるとしたら、一番最初に炭酸飲料、次にケーキの順で放棄すると思います。チョコレートは断つと禁断症状が出るので、やめられない不動の1位ですが、それに並ぶくらいコーヒーも好きです。
と、いうわけで。前回のブログで武田さんお勧めのBlue Bottle Coffeeに行ってまいりました。

チェルシーマーケットの向かいの10ave近くにひっそりとありました。目立った看板などもなく、これでは皆気づかないのでは?と心配になりました。
でも入ってみるとお店の中はにぎわっていました。さすがです。

今回はサイフォンで淹れるコーヒーを贅沢に味わってみようということで、奥にあるバーの方に入ってみました。カウンターに座席は6つほどしかなく、しばらく待ってやっと席につけました。
お食事くらいのお値段を予想していましたが、普通のコーヒーの2倍ほどの良心的なお値段で、コーヒーを待っている間に、ミニドリンクを出してくれます。
コーヒー豆についての説明を聞いて注文すると、店員さんは作業に入ります。お湯を沸騰させ、温度を測りながら適温にしたら、挽いたコーヒーを入れてヘラで混ぜ合わせます。するとチューブを伝って上っていくお湯がだんだんコーヒー色になっていきます。この工程を間近で見れただけでも楽しかったですが、コーヒーができあがると、(ワインを飲む前のように)コーヒーの香りをかがせてくれます。
香りも良くすっきりとしていて飲みやすかったです。ブラックで飲むのが苦手な方でもそのまま飲めると思います。

日曜の昼下がり、コーヒー一杯に30分かけてゆっくり贅沢な時間を味わいました。このお店はロックフェラーセンターにも近くオープンするようです。忙しないビジネス街で通用するでしょうか。注目です!


(角田)
2012-03-13
Coffeeマニア
アメリカに来てから習慣になったことのひとつに、コーヒーがあります。毎朝必ず飲まないと朝が始まりません。朝起きてシャワーを浴びる前、目ボケ眼でコーヒーのためにお湯を沸かし、シャワーを浴び終わってコーヒーを淹れたときに立ち上るあの香りで、シャキンとなります。特にこだわりなどはないのですが、コーヒーマシンではなく、プレス式のものを使っています。一杯くらいの少量から作れること、フィルターに味が吸い取られない感じ、そして何よりもフィルターがいらないので、「フィルター切らしてコーヒー作れない!」という悲劇が起こらないところが気に入っています。

不景気で、アメリカのコーヒー市場もその煽りを受けているようですが、その中で年20%のペースで「スペシャルティコーヒー」は成長していそうです。マンハッタン内のスターバックス密集度は目を見張るものがありますが、確かに最近チェーン店でないコーヒー店や、こだわったコーヒーについて耳にすることが多くなっています。コーヒーと言えば、アメリカ国内ではシアトルやサンフランシスコ、ポートランドのイメージが強いですが、最近になってNYでもコーヒーへのこだわりが波及し始めたようです。NY Timesによると、ここ数年間で、NYに40以上もの新しいコーヒーショップができているそうです。いずれも特徴が、チェーンではない、コーヒーを「芸術」としてこだわって作っているとのこと。 Ace Hotelに入っているStumptown Coffee、そしてつい最近マンハッタンにもやってきたBlue Bottle Coffeeなどというお店は、コーヒー好きの方なら良く耳にするのではないでしょうか?

サンフランシスコからやってきたBlue Bottle Coffeeは、元々クラリネット奏者だったアーティストが、自分の情熱であるコーヒーをビジネスにしようと立ち上げられたコーヒーブランドです。お店のポリシーは、焙煎してから48時間以内のコーヒー豆しか使わないこと。お店でコーヒーを注文すると、焙煎したばかりのコーヒー豆を一杯ずつドリップ方式で淹れてくれます。私が行ったときはすいていたのですが、何せ一杯入れるのに時間がかかるので、ラッシュアワーは大変なことになりそうです。新しいマンハッタン内のロケーションは、ミートパッキングのミルクスタジオのすぐ横、チェルシーマーケットの向かい、徒歩30秒以内にスタバありというチャレンジャーなロケーション。この立地で、コーヒーのみでビジネスが成り立つなんて、コーヒビジネス恐るべしです。(と、コーヒードリンカーの自分が言うのもなんですが。)日本に比べて、アメリカのコーヒーは薄くてまずいと思っている方にはお薦めのコーヒーです。

$18 ビリオンと言われている米国コーヒー市場ですが、コーヒーを飲まない人にとって、こういう熱いコーヒーの話はちょっとカルトチックに映るのでしょうか?


(武田)
2012-03-06
ガールスカウト2
前回のブログでも話ましたが、週末にガールスカウトのボランティアをしています。2週間に1度のガールスカウトなので、2週間ぶりに会った子供達に「I missed you.」なんて言われた日にはもうメロメロ。すっかり子供達の笑顔にやられてしまっています。しかも、たった一回しか会っていないのに私の名前を覚えてくれてるなんて!私のファーストネームは真知子と言うのですが、アメリカ人にとってまずは発音が難しく、それを一回で覚えるなんてゼロに近いです。(スペイン語のチコに発音が似ているので、スペイン語圏の方には覚えて貰いやすいですが。)それを子供達はすぐに覚え、しかも甘い言葉も囁くなんて、恐るべし子供。そういえば、フランスの耳鼻科医トマスティによると、生まれた時はそれぞれの言葉が発する周波数すべてに耳が開かれているが、成長と共にいつも聞いている周波数にしか反応しなくなる、と聞いたことがあります。脳生理学の研究からも、人が言語を獲得するには適齢期があって、2歳から13歳ぐらいまでと言わているそうです。となると、日本での早期英語教育は子供にとっては良いのかもしれませんね。只、吸収力がある分、誤った知識や技能を身につけてしまうと捨て去ることが難しいようです。正しい日本語を小学生に教えられる環境は果たして整っているのでしょうか。

言葉の事はさておき、ガールスカウトでおやつが出たのですが、さすがヘルシー志向が多いNY!フルーツの盛り合わせに胡麻クラッカーといったヘルシーなおやつでした。私が通っていた大学のあるウェストバージニアでもボランティアをしていましたが、そこでのおやつは健康に悪そうなスナック菓子に派手な色をしたクッキー。肥満の多いウェストバージニア、納得です。ちなみに、ウェストバージニアでは、ファーストフード店はお年寄りの憩いの場でした。おじいちゃん、それが晩ご飯で良いの!?とつっこみたくなるほど衝撃的でした。NYの子供達は普段の生活でもご両親が気をつけているからか、ボランティアの人の「健康に良いですよ〜。ビタミンやミネラル云々、、、」という話に真剣に耳を傾けていました。説明の後にはすぐ実行。体に良い食べ物をぱくぱく美味しそうに食べる子供達。子供の吸収力と素直さは本当にすごいですね。

ちょっと話がそれますが、私は健康おたくの母親に食生活は徹底して育てられました。コカコーラに抜けた乳歯を入れるとどうなるか実験、ポテトチップスからどれだけ油が出てくるか実験、今でも鮮明に覚えています。そのお陰で今ではすっかり甘いものが苦手です。若干トラウマのようにもなっていますが、親に感謝です。

奥村真知子