ニュースレター

2019-09-26
速報:全米のエグゼンプト従業員 最低給与額が年収$35,568に引き上げに
9月24日、連邦労働局=U.S. Department of Labor(DOL)が年収$35,568未満の給与を受け取る従業員は残業代支払いの対象となることを最終決定しました。


新ルールは2020年1月から施行されます。
公正労働基準法(FLSA = The Fair Labor Standard Act)の下に、エグゼンプト従業員とみなされる為には最低規定賃金以上の給与条件を満たすことと職責条件(Job Duties Test)を満たす必要があります。

これらの条件を満たさない従業員は1週間あたりの合計労働時間が40時間以上を超える場合に、通常の時給の1.5倍のオーバータイムレートを適用して、賃金を支払う必要があります。

新ルールは従来のエグゼンプトの給与条件である週給$455(年収換算で$22,360)を週給$684(年収換算で$35,568)に引き上げることになります。

オバマ前大統領時代に週給$455(年収換算で$22,360)を2倍にするという議論がなされましたが、最終的には連邦判事の判断により、DOLが権限以上の賃金引き上げを提案しているとして、却下されました。

新ルールの施行により100万を超えるエグゼンプト従業員のステータスがノンエグゼンプトとみなされると予測されており、各雇用主が新給与条件以上の賃金支払いへの即座の対応を求められています。


また、新ルールでは年に一度あるいはそれ以上の頻度で支給されるNon-discretionary BonusやCommissionを含むIncentiveの金額が新給与条件($35,568)の10%までを構成することが認められています。

今回の改定ではHighly Compensated Employeesの給与条件も年収$100,000から年収$107,432(週に$684支払うことも条件)に引き上げられることも決定しました。

この給与条件引き上げは、DOLが当初提案していた額より$40,000低い金額です。
これは全米のフルタイム従業員給与額の90パーセンタイルで提案していた内容が、最終的に80パーセンタイルで決定された為です。

ホワイトカラー従業員とも呼ばれるExecutive, Administrative, Professional Exemptionとみなされる為には給与条件と職責条件を満たす必要がありますが、今回の改定では職責条件については変更がありません。

オバマ政権時代に提案されていた給与条件の段階的引き上げ(3年ごとに全米で最も低所得の地域の賃金の40パーセンタイルを調査し、その額に合わせて給与条件を段階的に引き上げていくこと)も今回の改定に含まれておりません。


先月26日発行のニュースレター(私はエグゼンプト?あなたはノンエグゼンプト?)でエグゼンプト従業員の給与/職責条件やホワイトカラー従業員の分類などについても触れておりますので、こちらもご参考になさって下さい。

https://actus-usa.com/newsletter_employer/Jp/1238


エグゼンプト従業員からノンエグゼンプト従業員に切り替え(再分類)する場合には、従業員に対してこの変更は降格ではないことを適切に説明するなどのケアも必要です。また、これまで就労時間の管理をされてこなかった従業員は、今後の就労時間の管理方法についても模索していく必要があります。


ちなみに現在のノンエグゼンプト従業員の連邦法による最低賃金は$7.25/hで、この最低賃金額をそのまま適用している州は21州にとどまります。
ただ、人材難の現状ではなかなか最低賃金での人材の採用ができないとも言われています。

ある調査では、連邦最低賃金の就労者の離職率は全米平均の2倍に上るという結果が出ました。この夏、下院で2025年までに連邦最低賃金を$15/hまで引き上げる法案が通過しており、今後、連邦の最低賃金の動向にも注目したいところです。



山田明宏
Midwest – South Regional Sales Manager
Actus Consulting Group, Inc.