昨今のアメリカのニュースにも挙がっているように、2025年は、アメリカ全体で大規模レイオフや採用鈍化が続き、雇用・求人市場は明確な“調整局面”を迎えております。
この流れは日系企業や日系現地法人にも波及しております。アクタスでも日々、採用を考えている企業様や候補者の方と接する中で、実感しています。
本記事では、2024年との違いを軸に、2025年の採用変化、求職者側の行動変化を総合的に整理したいと思います。
1.2025年の採用環境
2024年はパンデミック後のインフレの落ち着きと景気の底打ち感から、企業側が慎重に“採用再開”へ動いた年でした。
しかし2025年は、再びリスク回避の姿勢が強まり、日系企業でも次の傾向が顕著になっています。
①採用数そのものを減らし厳選採用に切り替え
- 採用停止ではなく、少人数採用 × 高精度の選別が基本方針
- 採用要件はより具体的で、成果指標(KPI)や経験年数の基準が明確化
- マルチロール(複数職務の兼務)ができる人材が優先される
②コスト最適化が採用判断に直接影響
- 新規採用よりも社内リスキリング・配置転換を重視
- ビザコストの増加や保険料の高騰により、海外転勤者や駐在枠の削減
- 外注・業務委託との比較検討が増え、正社員採用のハードルが上昇
2.求人傾向の比較(2024年 vs 2025年)
① 必要ポジションの定義が“より限定的”になった傾向がありました。
2024年 | 増員を前提とした採用もあり、「良い人がいれば採りたい」という余白があった。 |
| 2025年 | ・役職者採用は「採らない理由を探す」スタンスが強まる ・明確に“欠員補充”以外は採用しない傾向へ ・採用理由の説明責任が、上位レベルまで厳格化 |
② スキル要件に変化がありました
| 2024年 | 英語力+知識が重視 |
| 2025年 | ・データリテラシー・AIツール活用力が必須項目へ昇格 ・営業/事務/HRでも生成AIなどのChatGPT・Gemini、AIレポートツール活用前提 |
③ リモートワークの扱いの変化
| 2024年 | ハイブリッド維持 |
| 2025年 | ・コスト管理上、オフィス回帰が増加 ・リモートモート中心の候補者は優先度が下がる傾向 |
3.求職者側の変化:慎重姿勢 × 副業・スキル強化が加速
① 転職タイミングを“後ろ倒し”にする動き
- 不透明な景気から、転職活動の開始を控える人が増加
- 内定辞退も減り、「慎重に1社を選ぶ」傾向が強まる
② スキル武装を強化:AI・データ・自動化スキルが人気
- ノーコード / AIアシスタント / データ分析基礎 のオンライン学習が増加
- 履歴書にもAI活用経験を記載する人が増え、差別化要素に
③ 副業・複業思考が主流化
- 景気変動が大きい中で、収入源の分散を重視
- 日系企業でも「副業容認」を求める声が増えつつある
🔍まとめ
- 2025年は、採用市場が大きく縮むというより、”より精度を求める年度”となった
- 2024年の「採用再開ムード」と比較すると、2025年は明確に“選別化”が進行
- 求職者は慎重な転職姿勢を取りつつ、AIスキルで武装、価値ある人材の定義が変わりつつある
2025年のアメリカ日系企業の採用は、量より質を重視する“選別の時代”へと本格的に突入しており、企業も求職者もこれまで以上に戦略的な姿勢が求められる一年となりました。2026年もこの流れは継続しそうですが、もっと進化するかもしれません。
だからこそ、企業は先を見据えた人材ポートフォリオの再構築を、求職者はキャリアの再定義を進めることが、来年以降の競争力を左右する鍵となるでしょう。
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