2017-05-17
スマホを操作しながらふと思った。
そういえばいつから画面にタッチするだけで操作できるのが当たり前になったんだっけ。
私が初めて携帯電話を持ったのは高校生の時。パカパカ携帯でもなく小さな白黒の液晶画面の下にボタンが並んでいて、アンテナが引っ張ると延びるタイプのものだった。着信音は3和音。周りでは携帯の和音の数がステータスのようになっていて、みんな自分の好きな曲を一生懸命作ってお互い自慢のメロディーを聞かせ合っていた。
それからたった10年と数十か月、今はスマホが当たり前の社会になっている。
携帯に話しかけたら答えてくれるようになってるなんて私は想像もしていなかったが、今は誰も驚かない。
2018年には世界の3分の1の人口がスマホを保持する見通しだそうだ。
美術館で初代iPodがSonyのウォークマンと一緒に展示されているのを見たとき、ショックを受けた。
盛者必衰。本当に時代はどんどん変わっていると実感した。
そんな折、友人が最新のPCとVRを買った。すごいらしい。ということで私も初VR体験をすることになった。
感想は一言では言えないけど、敢えて言うなら、絶する。
想像を。ここ数年で一番てくらい、思ってたのより凄かった。
まずはVR対応のショートフィルムとシューティングゲームを体験した。映画は自分が映画の中にいて同じ空間で登場人物を見ている感覚。ゲームも自分がゲームの中にいて、向かってくる標的に向けて引き金を引くとコントローラーが振動する。
友人は襲いかかってくるAIロボットの迫力にビビりすぎて後ろのベッドに倒れたそうだが、それも頷けるリアリティだった。
VRでバイオハザードなんて絶対やりたくない。
それからGoogle Earth VRで地球/宇宙旅行を体験。
まずは渋谷へ。再現度に圧倒される。
富士山の頂上から日本を見下ろして、そうだ実家に行こう!と思い群馬に飛んたが残念ながらまだ詳細までVR化されておらず群馬は開拓途中。そんなところまでリアル。
一通り仮想現実世界で遊び、ゴーグルを外した時、自分の家のリビングにいたことに違和感と若干の寂しさを感じた。またそれほど入り込んでいたということがちょっと怖くもあった。
VRは確実にこれからどんどん一般家庭に普及することになり、将来映画館やテーマパークはなくなっていくと思う。
ゴーグルも軽量化、低価格化が進み今のスマホのように誰もが持っているのが当たり前の世の中になり、自分が見たい世界をすぐに体験できるようになるだろう。
今からほんの10年数十か月後の私は、ガラスケースに展示された初代VRゴーグルを平野ノラの携帯電話を見る様な眼差しで見ているかもしれない。
竹田