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2017.8.16  Bob Geldofに学ぶリーダシップ術 後編
さて、前回は、Do they know it’s Christmas ビハインドストーリーをご披露し、このレコードの制作、販売に関わった全ての関係者が1ぺ二-も儲けていないどころか、費用は自腹、という、欲とMoney絶頂期のバブル時代にBob Geldofが起こしたミラクルに影を差した、イギリス政府の消費税徴収、でお話しが終わりましたが、後編では、このストーリーから学ぶリーダーシップ術について少々考証をいたしたいと思います。

イギリスはもとより、このレコードは世界中でヒットし、それまで、チャリティーや他人の、ましてやアフリカなんていう遠いところに住む人たちの不幸なんて政治家や宗教家の仕事、自分には関係のないこと、と無関心だった普通の人たち(特に若者)の意識を変える大きな出来事となりました。このレコード制作に関わったミュージシャンたち、そして、その後の様々なアーティストたちが、~~エイド、という社会活動に関与していくきっかけにもなり、生みの親、Bob Geldofには、Saint Bobなんていうニックネームがつき、売名行為だ、問題の解決なんてできない、といったシニカルな批判ももちろんありましたが、Bob Geldofが望むと望まないとには関わらず、彼は社会の注目を集めることになります。

1985年2月、Bob GeldofはDaily Starという新聞が毎年社会に貢献した人物に贈るGold Star賞の受賞者の一人に選ばれました。その授賞式で受賞者を讃える演説を行ったサッチャー首相は、この演説でこんな風にBob Geldofについて触れています。

...And we also find our pop stars under Bob Geldof's leadership, converting their musical tribute into food and shelter for the hungry. I would like to add my personal thanks to all who contributed to that inspired piece of music-making.
It means so much that those who our young people revere and idolise should give a lead for good. It lifts everyone. It lifts our country.

サッチャー首相ってご存知ですか?ひよこ組さん年長組さんグループの皆さんにはこれまた、???っていう時代の方ですが、Iron Ladyとまで呼ばれたイギリスの首相で、Mrs. Margarette Thatcher、イギリスで初めての女性の首相です。サッチャー首相について語るとまた長くなってしまうので、また、いつか(The Iron Ladyという映画にもなった人です。ご興味があれば是非、ご覧あれ。)、機会があれば。“大胆”で強烈なリーダーシップをふるいイギリスを世界のリーダーとして脚光を浴びる舞台に再度導いた歴史に残る人物ですが、そのサッチャー首相に“リーダー”としてお墨付きをいただいBob Geldof。
Band Aid、そして翌年に行ったLive Aid、どちらも前代未聞の寄付金を集め(Band Aid-USドルにして2400万ドル、Live Aidは1億5千万ドル-30年も昔のことです。)大成功を収めたと言えると思いますが、いずれのイベントもBob Geldofのリーダシップなしでは成功はおろか、形にさえなっていなかったはずです。

では、このチャリティーイベントを成功に導いた、Bob Geldofのリーダーシップとは?

日本で経営の神様と呼ばれ、いまだに著書が多くの日本人経営者のバイブルとなっている松下幸之助さん。ある新聞社の取材で、指導者にとって絶対に持っていなければならない条件を一つだけ挙げるとすると、という質問を受けて、こう答えたそうです。

「う~ん、そうですなあ、ひとつね、ひとつだけですな。ま、ひとつだけ指導者に必要な条件を挙げよと言われれば、それは、自分より優れた人を使えるということですな。そう、これだけで十分ですわ」

どんな優秀な人でも一人でできることは限られている。優秀な社員を集め、育て、その社員を活かすことができれば大きなことができる。だから、そういう能力があればリーダーとして十分だ、という理屈のようです。

Bob GeldofはまさにBand Aidというプロジェクトにおいて、これをやってのけたのだと私は思います。

じゃ、なぜ彼は自分より優秀なポップスターたちを集め、彼らの能力を活かすことができたのか、その要因を考えてみました。

考察その1:明確な使命
1984年10月23日にテレビのニュースでエチオピアの飢餓に苦しむ人たちの映像を目にした時に彼が抱いた使命はその後、一切ぶれることがありませんでした。彼らに食べ物を届けたい、ひとつの命でも救いたい、そのために多額のお金を集める、全額をエチオピアに届ける、です。非常にシンプルでストレート。Feed the World!

考察その2:自己認識、できないことを認識する勇気
Bob Geldofは自分にできること、できないことをしっかり認識するところからスタートします。自分にできることは音楽、でも既に落ち目の元ポップスターではスターパワーがない。お金もない。自分一人では何も達成できない。少し前までは世界中でチヤホヤされ人気絶頂だった芸能人にとって自分にスターパワーがないという事実に直面するのは勇気がいることなのではないかと。

考察その3:ビジョン
自分にお金がなかった、ということもあるとは思いますが、寄付をしようぜ、とミュージシャン仲間に声をかけて少人数から多額の寄付金を募ったところで、役に立つような金額にはならないけれど、1枚たった数ポンドのレコードが数多く売れれば、多額を集めることができる。誰もが買わずにはいられないような“売れる”レコードを作り、レコードが“売れる”ステージをセットアップしよう、というビジョン。売れるレコードを作るには、大衆にリーチできるスターパワーとクリスマスというイベントを利用するんだ、というビジョン。ポイントは名曲を作ることではなく、“売れる”曲を作る、こと。Bob GeldofもMidge UreもこのDo They Kow It's Christmasという歌自体は決して素晴らしいものではない、って言っています。Midge Ureは後年のインタビューで、この歌についてこう話しています。”It's never been a great song. It's kind of grown into a better song than it ever was. But as a recording, as a production, I'm immensely proud of it. So is Bob. Because it did its job phenomenally.” 
そして、売り上げは全て、1ペニーだって、エチオピア以外の誰にも渡さない。誰も、このプロダクションから1ペニーだって儲けない、これも大切なビジョンであり、Bob Geldofの約束でした。

考察その4:計画的でスポットオンな人選
スターパワーのリクルーティング。素晴らしい人選です。
まず、Midge Ureをパートナーに選んでいます。偶然の産物のように説明されていますが、私は絶対に彼の計画的な行為だったに違いないと思います。Midge Ureという大売れのミュージシャンとの共作によるチャリティーソング、というMidge Ureのブランドパワーが必要だったのはもちろんのこと、Midge UreはBob Geldofの長年の友人でBob Geldofをよく理解していた人物だったこと、Bob Geldofが動とすると、Midge Ureは静。Bob Geldofが感性と感情をエネルギーにして前に突き進むタイプだとすると、Midge Ureはしっかりと物事を積み上げて事を完成させる能力をエネルギーに前進するタイプ。作詞作曲はもちろんのこと、バンドのフロントマンとして歌うことも、楽器と言えばギターも弾けばキーボードも叩く。電気エンジニアのバックグラウンドがあり、シンセサイザーを操って音楽を完成させることもできれば、ミキシングもできるミュージシャン。1ペニーも無駄にしない、という使命のもと、彼らは、既存のクリスマスソングのカバーという選択肢は捨てました。著作権料がかかるからです。そして、バンドを作りバンドメンバーを集め音合わせをする時間もなかったので、楽器演奏は全てMidge Ureがシンセサイザーで完成させる必要があったのです。Midge Ureなくして、このプロジェクトはありえなかったことを、Bob Geldofはわかっていたという考察です。歌詞はBob Geldofの書いたオリジナルがほぼそのまま使われました。使命を言葉にした、いわゆるMission Statementだったわけです。それをMidge Ureは尊重したんだと思います。Bob GeldofにはMidge Ureの友情と理解が必要だったんです。
Midge Ureをパートナーとしてゲットした後は、更なるスターパワーブランディングとスターパワーボイスのリクルーティングです。11月23日にロンドンのレコーディングスタジオに集まったBand Aidのメンバーは以下のとおり。彼らには熱狂的なファンが世界中にいて、その世界中のファンの心に大きな影響力を持っていた、そんなスーパースターたちです。
Band Aid performers
Vocalists:
• Robert "Kool" Bell (Kool & the Gang)
• Bono (U2)
• Pete Briquette (The Boomtown Rats)
• Adam Clayton (U2)
• Phil Collins (Genesis and solo artist)
• Chris Cross (Ultravox)
• Simon Crowe (The Boomtown Rats)
• Sarah Dallin (Bananarama)
• Siobhan Fahey (Bananarama)
• Johnny Fingers (The Boomtown Rats)
• Bob Geldof (The Boomtown Rats)
• Boy George (Culture Club)
• Glenn Gregory (Heaven 17)
• Tony Hadley (Spandau Ballet)
• John Keeble (Spandau Ballet)
• Gary Kemp (Spandau Ballet)
• Martin Kemp (Spandau Ballet)
• Simon Le Bon (Duran Duran)
• Marilyn
• George Michael (Wham!)
• Jon Moss (Culture Club)
• Steve Norman (Spandau Ballet)
• Rick Parfitt (Status Quo)
• Nick Rhodes (Duran Duran)
• Francis Rossi (Status Quo)
• Sting (The Police)
• Andy Taylor (Duran Duran)
• James "J.T." Taylor (Kool & the Gang)
• John Taylor (Duran Duran)
• Roger Taylor (Duran Duran)
• Dennis Thomas (Kool & the Gang)
• Midge Ure (Ultravox)
• Martyn Ware (Heaven 17)
• Jody Watley
• Paul Weller (The Style Council)
• Keren Woodward (Bananarama)
• Paul Young
Additional spoken messages on B-side:
1. Stuart Adamson, Mark Brzezicki, Tony Butler, Bruce Watson (Big Country)
2. David Bowie
3. Holly Johnson (Frankie Goes to Hollywood)
4. Paul McCartney
Musicians:
• Phil Collins – drums
• John Taylor – bass
• Andy Taylor – guitar
• Midge Ure – keyboards and programming

考察その5:使命を果たさなければならないというパッションと使命に対する真摯な姿勢
Bob Geldofにアプローチを受けたこれらの多くのスターたちは、彼に“まくしたてられる”までエチオピアの飢餓状態をよく知らなかったようですが、彼のストレートでパッションあふれる言葉を“浴びて”、使命を共有します。同じ人として彼らを見捨てるわけにはいかないじゃないか、という使命を抱きます。レコーディングまで2週間や10日しかない日程をみんなが無理くり調整したのも、Bob Geldofの真摯な姿勢に共感を覚えたからに違いありません。どのスターたちも、即答OKだったようです。

考察その6:使命で結ばれた仲間意識と「良い事をしている」快感、適度な緊張感の創造でパフォーマーの能力を最大に引き出す
10月23日、眠い目をこすりながら、レコーディングスタジオに集まってきたスターたち。皆が皆知り合いだったわけではありませんが、お互いに名前は十分に認識しているのは当たり前。いつもはどこに行っても特別扱いされているスーパースターたちのエゴをどうポジティブなエネルギーに変えることができたのか。Feed the Worldという使命を共有すること、大切なことをしているんだという自負と、そしてコーラスパーツを全員で歌うことで気持ちの高まりと自然にテンポラリーな仲間意識を生み出し、また、全員がそれぞれ指定されたパーツをソロで歌う、みんなが見ているんです、緊張しますよね。みんなプロですから、いいところを見せたいと思うのも当然。ほぼ全員がこの日初めて耳にしたメロディー、目にした歌詞です。自分の持ち歌のように歌いこむ彼らのパフォーマンス。誰かのためにいいことをしているんだ、という“心”の快感が甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)=行動の素、意欲の素ホルモンを脳内に分泌させ、がぜんやる気満々に。エンドルフィンやドーパミンが分泌しまくり、この幸福感と緊張感が最高のパフォーマンスを引き出したに間違いなく。30年以上も経った今日、そんなことを思って聴くと、感動しますよ~。

考察その7:ぶれないビジョン、ハンドルさばき
Stingは “Where the only water flowing is the bitter sting of tears” という歌詞の下りのソロをアサインされ、嫌がったそうです。そう、歌詞に“sting”という言葉が含まれており、チープなpunチックですよね。Stingはおチャラケなタイプじゃないので、カッコ悪いと思ったんだと思います。でもBob Geldofは動じません。”sting”という言葉が含まれているからこそStingが歌わなくちゃだめなんだ、だそうです。
Bonoは“Well tonight thank God it’s them instead of you” という歌詞を与えられ、かなり嫌がったそうです。本当にこんなこと言いたいわけ?こんなこと言っちゃっていいのか? ま、そうですよね、いやぁ、苦しんでいるのが自分じゃなくてエチオピア人で良かった~、って聞こえるじゃないですか。そんなこと言いたくないですよね。でも、Bob Geldofはこれはこの言葉じゃなければいけないんだ、と言うのです。エチオピアの凄惨な映像を目にして、自分の子供がこんな思いをしていなくて心からありがたいと感じたんだ、そういう意味なんだ、と。Bob Geldofは無神論者ですが、その彼も神に感謝せずにはいられないという強い感情は、ストレートな言葉だからこそ、人々の心をつかむんだと。Bonoは理解し、この歌詞で最高のパフォーマンスをします。彼のアーティスト人生で最高のパフォーマンスとも言えるんじゃないでしょうか。
集まったBand Aidのアーティストのほぼ全員がソロ、セミソロパートを歌い、録音されますが、ソロとして最終版に登場するのはたった6名です。Paul Young, Boy George, George Michael, Simon LeBon, Sting, Bonoの6名のソロだけをBob GeldofとMidge Ureは選びました。Bob Geldof もMidge Ureもソロパートはありません(最初から予定なしでした)。最高を作り上げる責任がBob GeldofとMidge Ureにあったからです。メンバーを公平に満足させることが目的ではなかったからです。

考察その8:信頼
落ち目の元スター、Bob Geldofのこの行為を疑うメンバーがいたとしてもおかしくないと思いませんか?でも、このチャリティーレコード制作に関わった全ての多くの人たちの中に、Bob Geldofの真意を疑った人はだれ一人いないようです。

考察その9:強烈な目的達成意識=結果に対する意識
レコーディングが終了した11月25日の朝、スタジオからラジオ局に直行したBob Geldofは「この歌を好きかどうかは問題じゃない。とにかく君たちはレコードを買わなくちゃならないんだ。」と世の中に訴えます。

考察その10:徹底的にこだわる。
前回のブログの最後に、イギリス政府がレコードの売り上げに対して消費税をかけたことを書きましたが、Bob Geldofはあきらめたでしょうか?
まさか。最後の1ペニーまで全てエチオピアに渡す、と約束したBob Geldofです。責任を果たすことにとことんこだわります。イギリス政府相手に彼のとったアクションは、メディアの前でのサッチャー首相直撃、でした。
先に書いたとおり、Gold Star賞を受賞した彼は、サッチャー首相が演説をすることを知っていたから授賞式に出たんだと思います。Bob Geldofは、慈善家になる気もアフリカ問題に関わっていこうという気も全く持っていなかったので、このチャリティーレコードプロジェクトはワンショットイベントのつもりでした。なので、その後、落ち目の自分の本業をどうしていこうか、という現実問題を抱えており、売名行為だとの批判にかなりセンシティブになっていたようですから、この消費税問題がなければきっと彼は授賞式には出ていなかったはず。授賞式後のレセプションで、彼はサッチャー首相に詰め寄ります。その一部始終をテレビカメラがとらえていたのは言うまでもなく、その夜のニュースで、この様子が報道されました。

Michael Buerk, BBC(ニュース番組のアンカー):
The Prime Minister came in for some unexpected lobbying today from a pop star. Bob Geldof, winner of a newspaper award for raising millions of pounds for Ethiopia, tackled Mrs. Thatcher about the government's response to the famine and the part of the Band Aid's record profits which went in VAT payments. Michael Sullivan reports:

Michael Sullivan, BBC (ニュースレポーターのナレーション):
Mrs. Thatcher was at a London hotel to meet people cited by the Daily Star newspaper for bravery and perseverance. Seventeen people who, said Mrs. Thatcher exemplified the British spirit, like three year-old Luke Milligan who's learned to walk on artificial feet after having his own deformed feet amputated. The award winners were all suitably awe-struck in the presence of the Prime Minister, except for Bob Geldof who was not pleased at having to pay so much of the money he'd raised back to the tax man.

Bob Geldof:
Well we had a bit of a problem with the VAT on the record.

Mrs. Thatcher(サッチャー首相):
I know, but you know, don't forget, we've used some of your VAT to give back and to plough back. We've given again and again, I mean government has to get taxation from somewhere, so you …

Michael Sullivan, BBC (ニュースレポーターのナレーション):
But Bob Geldof was not deterred and displayed his brand of courage and perseverance by pressing a protesting Mrs Thatcher to do still more for Ethiopia.
***中略***
Mrs. Thatcher(サッチャー首相):
Well, look, a lot is going, a lot of surplus food is going, but don't forget …

Bob Geldof:
But Prime Minister there are millions dying and that's a terrible thing.

Mrs. Thatcher(サッチャー首相):
Indeed.

Michael Buerk, BBC(ニュース番組のアンカー):
Difficult to tell who was lecturing who.

その後、イギリス政府は、レコードの売り上げにかけた消費税を全額、Band Aid基金に寄付をする、という形で返金をしたんです。Bob Geldofのこだわりと使命感の勝利、でしょうか。

Bob Geldofによると、報道されたこの会話の後、レセプションランチでサッチャー首相と更に会話を続け、その夜、首相官邸に招待されたとのこと。ウィスキーをたしなみながら、語り合ったことで、Iron Ladyサッチャー首相も、Bob Geldofの使命への真摯な姿勢に心打たれたのかもしれません。その後、この2人の間には友情が育まれたらしいです。

以上が私のBob Geldofに学ぶリーダーシップ術。リーダーとして組織を成功に導いたのはこの10の要素だったに違いない、と考察いたしました。

経営思想家、マネージメント研究の第一人者、ドラッカー先生は奇しくも、こんなことをおっしゃっておられます。

「組織の目的は、普通の人に普通でないことができるようにすることである。したがって、組織のリーダーたる者には、成果中心の精神がなければならない。そのために必要とされるものが行動である。説教でもなければ、カリスマ性でもない。真摯さこそが、リーダーとマネジメントにとって不可欠の絶対的要件である」

「組織の精神とは、仲良くやっていくことではない。組織における判定基準は、成果であって仲の良さではない。仕事上の成果にもとづかない人間関係は、貧弱で、貧しい精神をもたらすだけである」

つまり、組織の焦点を成果に合わせる。個人としても、組織としても、成果の基準を高く持つ。成果をあげることを習慣化する…..そして、あってはならないのは、自己満足と基準の低さだ。組織の焦点は、問題ではなく機会に合わせられなければならない、ということなんだそうです。

そして、リーダーシップの3つのタスクとして、こんなこともおっしゃっておられます。
1. 組織の使命を明確に定義しメンバーに浸透させることでメンバーの意欲を促し、組織の生産性を上げ、成果に直結させていくこと。
2. リーダーシップを責任ととらえること。優れたリーダーは、責任を自分で負い、部下に存分に仕事をさせ、彼らを誇りに感じ、部下に成功させた自分の成功を誇りに思うこと。
3. 信頼が得られる人物であること。信頼されるということは、必ずしも好かれることと同義ではない。本当の信頼感は、話が信じられる、言動が一致している、一貫性がある、ここから生まれるもの。

どうです!Bob GeldofがこのBand Aidにおいてふるったリーダーシップはまさにドラッカー先生が説いていること、そのものだと思いませんか?と一人で納得した私です。

そして、ドラッカー先生のお言葉にはありませんが、私の考える最重要なポイントをお伝えして、この長い長いブログはお終いです。

私の考察 Last but not least…
Bob Geldofが抱いた使命が全く自分のためではなかったことが、Band Aidを成功に導いた彼のリーダーシップの最大のドライブだったのではないかと。人は自己の利害を超越して行動する時に、測りしれないパワーを発揮できるものなのではないか、という考察に辿り着き、ほぉ~、私ってちょっとディープ?と悦に入ってとエラソウに書いてみましたが、ちょっと調べてみたら、既にそんなこと、有名な心理学者や宗教家はトウノムカシにおっしゃっておられるということがわかりました。。。(-_-;)

お終い!最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。_(._.)_

追:サッチャー首相のGold Star賞授与式のスピーチ、もしご興味があれご覧になってみてください。一国を預かるリーダーとして、国民にこの国で生きていることを誇りに思わせるような演説ができることは、仕事のひとつだろう、と思う今日この頃でございます。。。
http://www.margaretthatcher.org/document/105977

((大矢))