2019-03-06
未来食堂
こんにちは、シカゴ支店の鎌田です。
最近興味深いテレビを見ました。
日本にある「未来食堂」のことを紹介したもので、この食堂、社員はオーナーの方おひとり。皿洗いや片付け、下準備などはアルバイトを雇う代わりに「ボランティア」に手伝ってもらっており、ボランティアたちは50分働くと食堂のご飯が一食タダで食べられます。なので、この「まかない」以外の経費や人件費はかかりません。面白いですね。ここに手伝いに来るボランティアは、仕事終わりに50分働いてご飯を食べて帰る人、食費を浮かせるためにくる学生、この制度に興味を持った外食業界の人、料理人になりたい人など様々です。更に、50分のお手伝いをした後に得た一食タダ券は自分で使っても人にあげてもOKで、食堂の入り口に、「使ってください」と貼って帰るボランティアもいます。必要な人に使って貰えれば嬉しい、とボランティアの一人が言っていました。
ここのオーナーの方は大学では数学を専攻し、クックパッドでエンジニアとして数年経験を積んだ後、この食堂を始めたそうです。誰もが疎外感を感じないような空間を作りたく、行き着いたのがこの仕組み。そしてさらに素晴らしいのは、この食堂は決して慈善活動として行っているわけではなく、利益を出すことを前提として運営されている点で、ち密な計算と色々な無駄を省くことで、きちんとビジネスとしても成り立っているそうです。
自動化・個別化が進んで煩わしいことが少なくなった一方で、やっぱり人と話せる場所、自分を必要としてくれる場所、「居場所」がないと寂しいのが人間で、その証拠に未来食堂のような場所が生まれるのでしょう。
この食堂ではボランティア制度の他にも食堂で提供するメニューについて、残りの食材リストを出して、これを使って何を食べたいかお客さんに聞き、次の日の献立や仕入れにも役立てているそうです。お店側としても顧客の要望が分かり、顧客側としても要望を聞いて・実現してくれるのは嬉しいですよね。
お客さんがサービス/食事を提供する側にも提供される側にも、両方になれるこの「巻き込み型/身内化」経営は、食堂にとってもお客さんにとっても最高の形ではないでしょうか。
リクルーターは企業目線、求職者目線両方で物事を考えますが、間に立つ者として、今のやり方以外にも、もっと双方に良い形ができるんじゃないか、と、なんだか刺激をうけた未来食堂のお話でした。