2021-01-27
みなさんアーユルヴェーダ、って聞いたことはあると思いますが、何かご存知でしょうか?
アーユルヴェーダとは、世界3大医学の一つで、インド・スリランカで生まれた5000年以上の歴史を持つ世界最古の伝統医学です。サンスクリット語のAyuh(生命・寿命)、Veda(科学・知識)から来ており、実践的な生活健康法として受け継がれてきました。
発生元のインドでも、最近では”昔の医学”となっているとも聞きますが、西洋医学のように病気の症状を取り除くのではなく、アーユルヴェーダはより健康に、長寿や若さを保つことを目的とした予防医学で、食事法・健康法(ヨガ・瞑想)といった日常生活に関わるものから生命そのものまでを科学する医学でもあり、最近欧米でも注目をされています。
アーユルヴェーダでは、自然のエネルギーから体が構成されていると考えられていて、そのエネルギーを「ドーシャ」と呼んでいます。「ドーシャ」とは、「不純なもの」「病素」という意味があり、私たちの体に起こる様々な現象や体調の変化に関係しています。アーユルヴェーダでは、この「ドーシャ」がバランスの取れた状態を健康と位置付け、バランスが崩れると健康を損なう状態になると考えられています。
私たちの体を構成するドーシャとは、「VATA(風)・PITTA(火)・KAPHA(水)」の3つのエネルギーです。すべての人が3つすべてのエネルギーで構成されており、その人の生まれ持った性質(PRAKRITI)によって、この3つのブレンドの比率が変わります。3つのバランスが取れている状態がベストとされています。
【VATA】
風のエネルギー。風のように動く性質を持っているので、好奇心が強く活発、新しいことにも対応できる反面、気まぐれで飽きっぽいというような面もあります。神経質で、緊張やストレスに対する耐性も少なく、不安感や恐怖心が強い傾向にあります。
VATA体質の人は、生まれつき細身の方が多く、消化しやすいものを摂ることが理想です。また、冷えやすいので生野菜や冷たい食べ物をさけて温かいものがお勧めです。食事中も、気分をリラックスさせて、ゆっくりと食べることが大切です。食欲にムラがあり、食生活が不規則になりがちな人が多い傾向ですが、朝食はしっかりとり、昼食を多めに、夜は軽く済ませると良いです。
【PITTA】
火のエネルギー、細胞機能に必要なエネルギーや熱を作り出し、栄養分の消化や代謝を表しています。情熱的でチャレンジ精神も強い一方で完璧主義者になりがちで見栄っぱりなところもあります。胃腸が強くよく消化し、腸は効率よく働きますが、辛いもの、揚げものを食べ過ぎると、消化不良をおこし、消化、排泄に症状が出ます。体に熱をためやすいので、冷たいものを取るように心がけましょう。また、熱性のある食材や辛いスパイス、塩分の多い食事などはより過剰なエネルギーを増やすことになるので控えた方がよいとされます。
【KAPHA】
水のエネルギー、特徴としては物静かで落ち着いていて、忍耐も強い性格。言動も、ゆっくりしていますが一方で、おおざっぱ、鈍感といった面もあります。カウチポテトのイメージです。水の性質上、何事も蓄積する性格があるので、お金を貯めるのが上手という一面もあるそうです。
KAPHAの人は食物の影響を受けにくい人です。比較的脂肪をためやすく、太りやすいので、バターやチーズ、油っこいものは避けましょう。なるべく苦味や渋味、辛味を重点的に、炒めたり、温めたりした食事をとることが望ましいです。また、甘味の摂り過ぎにも気をつけないといけません。
季節による体調の変化や、心身の状態、また外的要因(VRIKRITI)である住む場所、職業、ストレスなどによってドーシャはアンバランスになってしまいます。何の食材を何時に食べるか、調理方法など、その人ひとりひとりによって事細かく分析、実践し、バランスを戻す必要があります。
本来なら、きちんとしたアーユルヴェーダは医師が視診、触診、問診、聴診を行いながら判断していくものなので、個人の体質、健康状態、症状、外的要因などをもとに、体の不調をあらゆる方向から分析する医学です。
ただ、ネットでできる簡単診断があるので遊びもかねて、下記のリンクからぜひ一度調べてみても面白いです!
https://www.ayurvedalife.jp/constitution_diagnosis_of_ayurveda.aspx
成瀬