2007-09-03
とある経済誌のウェブサイトに目を通していたところ、“女性管理職の落とし穴”と題された記事の中に、下記のような文章を見つけたのでした。
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大手ゼネコンの人事担当が、女性社員を評して、こんなことを言っていた。
「仕事はよくする。完全主義で、自分が担当する仕事は緻密にこなすから、男性より安心して任せられるくらいだ。ただ、自分のテリトリーを守りすぎて、他の仕事への関心が薄い。視野が狭いんだよ。目の前の仕事ばかりでなく、もっと会社全体や世の中も見て、将来を見据えた展望を示してほしい。そうでないと、課長にすることはできない」。
こうした意見は、他の男性管理職からもよく聞かされる。
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著者は女性リーダーを支援している人物で、なるほどなぁと思う点も。先日ニューヨークオフィスのシニアコンサルタントとは、候補者を見ていると、女性は抜群に適応能力も高く、優秀なだけでなく、俄然強い(もちろん良い意味で)ですね、と話していたところでした。ただし管理をする立場となると、デキル女=優秀な管理職ではないので、更なる視野の広さを求められるのでしょうね。世の中や社内の動きに敏感になることが大切なのかもしれません。
少し話は変わりますが、日本の社会においては、優秀な女性でも機会に恵まれず、自然と海外に目が向く人物が多くいるよう。事実インターンシッププログラムを提供している企業の担当者と話をしたところ、びっくりするようなすばらしい経歴の女性が、ある日会社を退職し、海外で経験を積みたいと相談に来ると言われていました。
そして少し前のブログでも登場した経済研究所で働く友人みさこさんは、“語学を含めた能力のある女性は、日本人男性に見切りをつけていることがわかりました。日本を出て働きたいというのは、正当に能力を認められてそれにかなった働きをしたいということに加えて、年齢に関係なく女性を女性として扱ってくれる環境で暮らしたいということもあるんじゃないかな”と言っています。
優秀かどうかはさておき、かくいう私は海外就職派。
日本では大企業といわれるところで勤務していたため、縦割りがはっきりしており、自分の仕事には限りがあったように思います。新しいことを始める際は、まずは決裁書を作成し、上司から役員までの10名近くの判が無ければ何も前に進まない。その分、安定していて、勤務年数とともに給与も上がっていくシステム。それに比べると今は中小規模の会社である分、スピード感は抜群にありますね。それに自分が会社の中で担っている部分が大きく、特に今は管理している支店があるので、支店の数字イコール私の成績となってくるのです。
とはいえ、海外企業という枠にとらわれず、日本国内でも同規模で同じような体制の会社であれば、何ら変わらない経験ができるのかもしれません。
もしかしたら女性だからとか男性だからと性別にこだわらず、それぞれの特性を生かして、皆が活躍できる仕事環境があることが大切なのではないでしょうか。冒頭の抜粋記事ように、女性の視野が狭いと思われるのであれば、気づいた上司や人事担当者が指導すればいい。人材を平等に評価できる社会ができれば、性別に関係なく、優秀な人物の活躍の場が広がるのではないかと思います。
その観点で、私が勝手に注目している日本にあるベンチャー企業のDeNA。社長が女性であるばかりでなく、会社組織は社長を頂点とするピラミッドではなく、ひとりひとりが表面積を担う球のイメージとの事。社長の南場氏は「良質な非常識」の数だけ新規事業が立ち上がると信じていると公言され、とにかく優秀な社員が社内のしがらみに縛られず、思う存分実力を発揮している印象です。面白いなぁと思います。きっとこういった企業が増えれば、優秀な女性の活躍の場も広がるのではないかと感じたのでした。
参照:
日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/index.html
株式会社ディー・エヌ・エー
http://www.dena.jp/
LA支店 松浦恵子