2008-04-07
「One Cannot Not Communicate」
大学でコミュニケーション学を専攻していた私は、
多くのクラスで、この理論を耳にしました。
直訳にすると「コミュニケーションをとらないということは出来ない」
つまり、「人は常にコミュニケーションをとっている」ということです。
この理論、皆さんは聞いたことがあるでしょうか?
人が誰かとコミュニケーションをとるために、言葉を発し、
文字を書き、ジェスチャーを通して、相手に何かを伝える。
これはもちろん、誰もが認める「コミュニケーション」です。
では、人が誰かとコミュニケーションをとっている状態というのは、
こういう時のみなのだろうか?というのが
コミュニケーション学者の中で長年論議されていることなのだそうです。
「Non-verbal Communication(言葉以外のコミュニケーション)」
という言葉はクラスの外でもよく聞く言葉です。
例えば、声のトーン、スピード、視線、姿勢、など。
自分では気づかないうちに、実は相手に何らかのメッセージを送っている、
そして、実はそれが一番正直なメッセージだったりする・・。
こんな話を聞いたことがある人も多いのではないかと思います。
ではいつも運転している車はどうでしょう?
ある日、保険業界の営業をしている私の友人が、
車の雑誌のページをめくりながら、こうぼやいていました。
「本当はスポーツカーが欲しいんだよなぁ・・。でもさ、俺、
保険の営業やってるだろ?さすがにそれで営業には行けないしな・・」
赤いスポーツカーから出てくる営業マンの売る保険より、
白のセダンから出てくる営業マンの売る保険の方が
信憑性も信用性も高いというのが彼の言い分です。
確かに。
例え人が言葉を発したり、体を動かさなくても、
自分の身に着けている洋服、アクセサリー、持ち物、髪型、肌の色・・・
そういったものは、周囲の人に必ずなんらかのメッセージを送っています。
自分がとろうともしていない「コミュニケーション」を
実はいつの間にかとっている・・・。
それは、周囲に人がいる限り避けられないことなのです。
このことをクラスで学んだ時は、「へえ~面白いなあ」と思う反面、
「なんて恐ろしい!」と思ったわけですが・・・
よく考えれば、このことをプラスにも利用できるわけです。
面接に行く時の格好って、結構悩みませんか?
ネクタイの模様とか、シャツの色合いだとか、化粧の仕方だとか・・・。
振り返れば、私は「面接」という場に行くための身支度をしていて、
自分が相手にどんなメッセージを送るか、なんて
考えたこともありませんでした。
「Non-verbal Communication」に注意して面接を受けるのは
とても大切なことです。でも、コントロールするのは、なかなか難しい。
練習も必要だし、逆に緊張しすぎてしまうかもしれない。
それならまず、簡単に変えることのできる、
「身に着ける物」から気をつけてみるのはどうでしょう?
3重にしていたマスカラを2重にしてみる。
磨いたことのなかった靴を磨いてみる。
留めていなかったボタンを留めてみる。
何かをほんの少し変えるだけで、相手が受け取るメッセージも変わるはず。
「One Cannot Not Communicate」
次の面接の朝には、この言葉を思い出してみて下さい。
(武井)