2008-08-18
ロサンゼルスでは先週の土曜日、8月16日から24日まで
2世ウィークという日系コミュニティー最大のお祭りが開催されています。
http://www.niseiweek.org/
17日の日曜日には、リトル東京で行われたパレードに
私も「よさこいソーラン節」のチームとして参加してきました。
このお祭り、大恐慌後発展の兆しが途絶えていた、
リトル東京の再発展を促すために、1934年に始まったそうです。
日系コミュニティーの中では、伝統あるお祭りとしてよく知られている
イベントなのですが、最近LAに移住してきた日本人には意外と
知られていないイベントで、私自身、パレードに参加することに
なっていなければ、恐らく知らずに今年も過ごしていたかもしれません。
いろいろなイベントが催されている2世ウィークですが、
メインイベントでもあるパレードでは、2世ウィーククイーンに始まり、
地元のマーチングバンドや第二次世界大戦の元日系兵士の行進、
和太鼓やお囃子、その他本当に数え切れないチームの
様々なダンスや演奏を楽しむことができます。
去年は「ねぶた」も青森から、このパレードのために
海を渡って運ばれてきていたようで、それで皆さんのこの
パレードに対する情熱と、力の入れようが分かると思います。
沿道には、たくさんの見物客が集まっていて、その人種も様々。
そんな中を「鳴子」を鳴らしながら、観衆の皆さんに応援されて
踊った時間は、本当に楽しく、久々に心からワクワクした一夜でした。
アメリカへの日本人の移民が本格化したのは、
今から約120以上も前、1884年の頃。
日本政府とハワイのサトウキビ農園との間で
結ばれた協定によるものでした。
その後、ハワイからアメリカ本土へ移住してくる人も多く、
非常に多くの日本人がここ、LAにも移住してきました。
低賃金でよく働く日本人。もともとあったアジア人への偏見もあり、
現地の反日感情も高まっていったそうです。
1941年の真珠湾攻撃を機に、それまであった反日感情はピークに達し、
ルーズベルト大統領は日系人を強制収容所に送ることを決意。
カリフォルニアからは、約1万人以上がアリゾナ州のマンザナー収容所へ
送られたといいます。そして、解放後も資産の没収や差別など、
不当な扱いを受けてきた日系1世、そして2世の人たち。
そんな彼らの困難と成功の歴史が、LAダウンタウンにある
全米日系人博物館で学ぶことができます。
http://www.janm.org/
よく「アメリカは歴史が浅い」と言いますが、その浅い歴史の中にも
こうして必死に生きた日本人の歴史が刻まれています。
正直、在米日系人の歴史など、全く考えたこともなかった私ですが、
この2世ウィークの参加を通して、いろいろなことを学ぶことが
出来ました。当たり前のように、差別を受けることもなく、
こうしてアメリカで楽しく過ごしている一日一日も、
彼らの努力がなければなかったかもしれません。
そんな歴史も学べる2世ウィークの祭典。
今年は参加できなかった方も、ぜひ来年は1人の観衆として、
または参加者として楽しんでみてはいかがでしょうか?
また、博物館では、もっと詳しい資料や展示品を見ることが
出来ますので、ぜひ足を運んで見て下さい。
(LAオフィス 武井)