2009-05-04
とある日本の雑誌のコラムに
“アメリカは前向きな姿勢で、経済回復も早いのではないか”
と書かれていましたが、とんでもない!
先月発表されたカリフォルニア州雇用開発局の統計によると、
3月のカリフォルニア州の失業率は、なんと過去最高の11.2%を記録。
しかも4月1日からは消費税が値上がりをして、
3月は一時的に大型ショッピングの駆け込みはあったものの、
先行きは全く明るく無いのです。
確かに日本政府は先月末には、GDP成長率をマイナス3.3%に
大幅下方修正を発表したばかりで、
これはどうやら戦後最悪の成長率らしい、です。
そんな日本からすると、アメリカは悪くないんじゃないか
ということになるのかもしれませんが、
先週は、豚インフルエンザに、アメリカBig3の一角である
クライスラーの破産申告。
明るい話題を見つけるのが、大変な今日この頃です。
そんな中、お手ごろなインプットを、と久しぶりに読書にはまっています。
サントリーの元会長、佐治敬三氏の本を読みを終わったので
(これもかなり面白いので、オススメです)、
オバマ大統領が政治家としてキャリアを積む前の95年に出版された
“Dreams from My Father”という本を読み始めています。
タイム誌のコラムニストも "is easily the most honest, daring, and ambitious volume put out by a major US politician in the last 50 years."と賞賛している本です。
オバマ氏は経歴を見ると、WASPsと何ら変わらないように見えますが、
黒人への差別がまだびっくりするほど根強い時代に幼少期を過ごしています。
この本は、ケニアからの留学生だった父親と、
アメリカ人の白人を母に持ちながら、自分は何者として生きればよいのか?を、
もがく思いでアイデンティティー探し続けた、
旅の記録のようなものだと思います。
本の途中ですが、アメリカが内包している社会問題のみならず、
人生とは何か、を改めて考えさせられています。
オバマ大統領はどこか超越した感がありますが、
それは自分とは何かを徹底的に問い詰め、
そこから築き上げた深みと強さがあるのかもしれませんね。
アメリカの資本主義の崩壊とさえ言われている今回の経済問題は、
簡単に解決できる問題でもなく、8年間をかけて
じっくりとシステム改善をして欲しいものです。
来期続投のためには、この4年間である程度の実績を上げる必要もあり、
何かしらの結果が出ればよいのに、と願わざるを得ません。
ところが、不良債権が手付かずで残っている中、景気が底をつく前に、
もう一段不景気の波が来るのではないか、とさえ発言している
エコノミストもいますが…
とはいえ、先のことを心配しても仕方が無いので、明日5月5日はこどもの日。
柏餅を買って、お祝いをしようと思います!
LAオフィス 松浦恵子