2009-06-09
アメリカ自動車業界のBig3を担っていたゼネラルモーダーズ が、
今月1日に連邦倒産法第11章の適用を申請し、
2日前にはアメリカ国内の失業率がついに9.4%で、
二桁になるのも時間の問題。果たしてこの先どうなるんだろう?と
不安を抱かずにはいられない今日この頃、です。
そもそも、住宅バブルに端を発した今回の不景気。
犯人探しの為に、元FRB議長だったグリーンスパンなども、
リーマンショックのすぐ後に公聴会に呼ばれていました。
アメリカの優秀なブレーンをもってしても、本当に何が起きたのかを
把握するのにかなりの時間を有していましたが、
それもすべては複雑な金融システムを作ってしまった結果だったようです。
少し前のニューヨークタイムスに、短期間でお金を稼ぎたい
頭脳明晰な人物たちがウォールストリートに集まりすぎた結果、
マネーゲームとなってしまった旨のコラムが載っていました。
本来金融システムは、国民誰にでも分かりやすく、
透明なシステムであるべきなのだと。
AIGがベールアウトを受けておきながら、エグゼクティブにボーナスの支払い、
当然のように国民の大ブーイングを買っていましたが、一部では、
優秀な人材をファイナンスの業界につなぎとめておくには仕方がない
という考え方もあったようです。
そんな考え方自体に、疑問を抱かざるを得ませんが。
ただし、高い学費を払ってトップのビジネススクール(経営学大学院)を
出たら、手っ取り早く回収できるのはI Bank (投資銀行)という考え方が、
日本でもアメリカでも、当然だったように思います。
2年程前には、一部バンカー達は、ウォールストリートでは十分稼げないと、
ドバイの金融機関で職を見つけていたと言われていました。
ただ、本来は金融機関に優秀すぎる人材は必要なく、
こういった人物は別の業界に行って、本来国の発展を支えるような
別の産業で活躍するべきではないかと言うのが、
ニューヨークタイムスのコラムの結論でした。
そもそもアメリカは他国民国家で、言葉で説明してもその真意が
伝わらないことも少なくなく、様々な数字が採用された歴史があり、
それを教えるのがビジネススクールです。
ただし、それがすべてになってしまったのが、
ビジネススクールの功罪だとも言われています。
今後はビジネススクールの存在意義、プログラム内容が問われる時代が
来るかもしれません。
さて、景気に関して言うと、悪い話だけでもなく、
ちらほらと明るい話題も出てきています。
アメリカでは株価も安定してきているとか、ゼネラルモーターの行方が
ハッキリした事で、政府は不良債権問題に手がつけられるため、
景気が底を付くのも時間の問題ではないか、などです。
そして、米国にある日系自動車メーカーは、他の製造メーカー同様、
確かに今は苦しい時で、ワークシェアリングを取り入れ耐える時のようですが、
実はR&D部門は忙しく人材が足りないくらいだとか。
この景気の波が引いた時に、他社より抜け出していられるように、
今から準備をしているとも言われています。
調子がいいときには気づかない大切な事を見つめられ、そのために
努力が出来る人こそが、今後の大きな飛躍に繋がるのでしょうね、きっと。
松浦