2009-11-23
私はもう随分前からですが、Food Networkにはまっており、Iron Chefはもちろんのこと、色々なシェフの番組を楽しみにしています。
お料理は全然だめですが、美味しいご飯は大好きですから、お料理番組を見て、おいしそうだなぁ、と思うのは大好きです。
で、このFood Network Channnel。季節が変わるごとに、マンネリ化を防いで視聴者を厭きさせないためだと思うのですが、コンテストシリーズがあって、新しいフードネットワークシェフが誕生しますが、この2ヶ月ほど、私がはまっていたのが、Next Iron Chef!という番組です。文字通り、新しいIron Chefを選ぶべく、毎回、参加者にはとっても大変な課題が課せられ、汗だくで走り回ってお料理を作り、辛口のジャッジたちの審判を仰ぎ、毎週、脱落者が出ていくのですが、昨日はその最終回。いよいよ、Next Iron Chefが選ばれる最後のバトルで、最後まで残っていた2人のシェフがキッチンスタジアムで5品のお料理を用意し、今回は現在のIron Chef5名のうち3名のIron Chefもジャッジとして参加。日本が誇る森本さんもジャッジとして座っておられました。
バトルの内容も内容ながら、2人のシェフの様子も様子ながら、お料理の内容も内容ながら(おいしそうでした。)、私が何よりも興味深く思ったのはジャッジのコメントバトルでした。
3名はいつものジャッジ。有名レストランのオーナー、料理研究家、評論家、という、食べることがメインなジャッジはいつも、そこまで言わなくても。。。意地悪だなぁ、と思うコメントはいつものとおりでしたが、食べ物は所詮個人の好みや感覚。万人を満足させられる、なんてことはありえないわけで、つまりレストランのお客さんというのはかなり自分勝手なことを感想として述べる人々の代表と言えるわけですよね。Next Iron Chefのジャッジは、専門家としてたくさんの美味しいものを食べてきて、私なんかがおいしいぃ~、とか、これはあまりおいしくない、とか思う何万倍以上の色々と難しい感想を述べられる知識や経験をお持ちのジャッジですから、これまた自分勝手な感想を述べる頂点にいる人たち、みたいなものです。
ところが、Iron Chef3名のコメントはやっぱり違いました。ほめ言葉にしても、批評にしても、その言葉を浴びているシェフは、なるほど、と思える言葉だったに違いありません。お料理をし、たくさんのシェフたちの挑戦を受け、勝ち負けに関わらず、視聴者にやっぱり料理の鉄人だ、と納得させるパフォーマンスをいつも要求される彼らの言葉は違いました。ナカでも、口角泡飛ばしの論点となったのが、オリジナリティー、と申しましょうか、創造性というのでしょうか。レストランのお客さん代表のジャッジ3名は、非常にそこにこだわるのです。シェフXXの作品はよくあるものでボーリングだ、と。それに対してIron Chefが、誇りを持って対抗して投げた言葉が、基本、でした。シェフXXの5品はどれをとっても非常に素晴らしい料理のできばえで食べ物が美味しく仕上がっており、間違いなく一流のスキルを持ったシェフだ、と。どんなに見た目に奇をてらったものがあって話題性を呼ぶ料理だったとしても、料理として完全に料理をされていない作品であれば、Iron Chefとして挑戦を受けてたつことができない、と。
大衆は飽きっぽく、ビジネスとして成功し続けるには奇抜なアイデアも見た目の美しさも斬新さも必要ではあるものの、成功を握る本当の鍵は、基本だ、ということです。これって、料理の世界のことだけじゃないですよね。Doerの言葉には重みがあるものだと、感心しきったのは、きっと私だけじゃないはずです。
何かがうまくいかない時、基本に戻ってみる。基本が間違っていないか、基本をなまけてはいないか、そこを真剣に考えてみると、うまくいっていないことの解決の糸口が見えてくるのかもしれません。
((大矢))