2009-12-28
さて、今年もあと僅か。なんとなく今年あったことを思い返してみたりする頃じゃありませんか?
私の中で今年のショックな出来事と言えばダイヤモンドのイヤリングを失くしてしまったことです。
前にも書いたことがあるかもしれませんが、私は、ずいぶん前から毎年自分の誕生日にティファニーで自分へのバースデープレゼントを買うことにしています。札幌という日本の地方都市からのこのことやってきた私がこのニューヨークという街で1年1年生き残っていくことには、自分で言うのもナンデスガ、“少し”以上の頑張りがあってのことであり(最近、トシのせいか、少し疲れ気味ですが。。。)、今年も1年間ニューヨークの生活をやってこられた自分をほめてあげようと思って「レントを払ってご飯を食べる」以上に何かができる余裕ができた年に始めたことです。最初の何年かはそれがやっとの生活でしたから。何故、ティファニーなのか?私はニューヨークに引越しをしてくるまではニューヨークに来たこともなければニューヨークにちっとも興味も持っていなかったので、ニューヨークのことは観光客程度も知識がなく、その頃の私のニューヨークのシンボルと言えば自由の女神か、ティファニーで朝食を、の映画で有名になった5番街にあるティファニーの本店、くらいなものでした。毎年誕生日に記念になるように、というのであれば、やっぱり自由の女神グッズより、ティファニーでしょう。違います?ティファニーの方が断然頑張る度は必要ですし。
非常に自己完結型、自己満足型な行為ではあるものの、結構、毎年楽しみな行事となっています。自分で自分にプレゼントするので、お財布事情も一番よくわかっており、見栄を張る必要もなければ、自分の趣味にあわないものをもらうわけでもない。パーフェクトです。というわけで、いつもはシルバーのイヤリングだったりリングだったり、なのですが、数年前の自分の中で人生においてのある区切りの年だけは、絶対にダイヤモンドとずっと前から決めていました。私が買えるくらいのダイヤモンドなので、肉眼じゃ見えないくらいちっちゃなダイヤモンドですが、ちっちゃくったってなんだってティファニーのダイヤモンドです。キラキラ度合いが違うのはもちろんのこと、身に着けた時の自分の心の中のキラキラ度合いが違うものです。悩みに悩んだすえ、塵より少し大きなサイズのスタッドのイヤリングを選びました。
さて、このイヤリング。ピアスですが、後ろの留め金がスクリューになっていて、そう簡単に落ちないようになっているのです。それでも最初は落とすのではないかとドキドキし、つけている時は時々耳たぶを触ってそこにあることを確かめてみたり。それが!です。ある晩、家に帰っていつものように髪をポニーテールにまとめながら鏡を見た時、私の左側の耳たぶにはキラキラがありませんでした。確かにお昼、オフィスのバスルームの鏡で見た時はそこにあった、はず。。。必死にバスルームやアパート中を探し、ベッドのマットレスまでひっくり返してみましたが、どこにもありません。私が失意のどん底にオチイッタのは言うまでもありません。。。
でも、ティファニーのすごいのはお客様をとことん大切にしてくれるところです。ティファニーブルーはディスカウントはしないけれど品質とお客様の満足度は保証する色なのです。なので、半分のイヤリングだってきっと売ってくれるに違いない!と自分に言い聞かせ、ティファニー本店の6階へ、先日漸く重い腰をあげて出かけたのですが、いつものとおり、カスタマーサービスの人はとても親切かつフレンドリーな対応で、私の話を親身になって聞いてくれ、まぁ、それは悲しかったでしょう、と一緒に悲しんでくれ、そして、私の持参した片方のイヤリングを預かり、2週間以内に見積もりがEメールで送られてくるとのこと。
その見積もりがもう届きました。所要時間1週間弱。そして、金額も、新品のイヤリングの半額とちょっと、というお値段。そういうものですか?イヤリングを片方なくしたら半分の値段でもう片方を売ってくれるものですか?どんなものなのでしょう。巷のことはわかりませんが、失くした当方としては、なんとも妥当なお値段で対応してくれる、しかももともと購入したのは数年前のことです。これは決してダイヤモンドのイヤリングだったからではありません。実は、やはりティファニーで一昨年購入したイヤリングの一部を、購入して数ヶ月でなくしてしまい、仕方ないとあきらめて部品なしで着けていたのですが、今回のこの大御所イヤリングと一緒に持っていって相談をしてみたところ、なんと、やはりまったく同じサービスでした。こちらの見積もりもきちんと届き、なんとこちらはもともとのお値段の4分の1ちょっと、というところ。ティファニーのロゴが入っており、私の購入の記録もコンピューターに残ってはいるものの、レシートを見せろなんて全く言われません。
これが、一流である、ということなのかもしれません。ティファニーである、という誇りなのかもしれません。そんな一流な姿勢の生き方をしたいと思うものです。ディスカウントで勝負するのではなく私という人間の質と誠心誠意で勝負する、という姿勢で。というわけで、私の年に1度のティファニーショッピングはこれからもニューヨークに住んでいる限りは続く、というわけです。
でも、今年はごはんが食べられるくらいしかお財布の中身がない時にいくら半額でもかなり痛かったです。どうして、イヤリングって片方だけなくなっちゃうのでしょ。片方だけのイヤリングを売買できるeBayみたいなウェブサイトがあるといいかもしれない。。。
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1906年にはニューヨークサン紙にこう書かれている。
「ティファニーには、どんなにお金を出されても決して売らないものが1つある。…ただし顧客が商品を買うと無償で提供される。それは、ティファニーの名が冠された箱である。責任を持って製造された製品が中に納められていない限り、その箱をお店から持ち出してはならないという創設以来の厳しいルールが、貫かれているからなのだ。」 (ウィキペディアより抜粋)
((大矢))