2006-05-15
皆様はじめまして。NYから遠く600マイルほど離れた「Reds以外に名物のない街」シンシナティ在住のナガタクと申します。就職に関連する話、しない話、NYでは絶対に聞くことのできない変わった話を中心に書いていきますので、しばしお付き合いのほどよろしくお願いします。
さて、さっそく就職とは全く関係のない話ですが、日本のTV番組が大好きな私は、先日「不安の中に成功がある」という自分好みのタイトルに惹かれて某番組のDVDを購入しました。日本で今大活躍している挟土秀平さんという左官職人の話なのですが、家に持ち帰って最初の3分ほど見て「これはチョイスを誤ったな」と思いつつ、せっかく買ったので最後まで見ることにしました。
ところがこの番組、見終わってみると私の予想に反してものすごく共感する内容だったのです。これからご覧になる方のために詳細は書きませんが、彼のスタンスは「どんな時も仕事に対して臆病であること」。いつでも不安を抱きながら臆病に仕事に取り組むことで、自信過剰にならずに感覚を研ぎ澄まし、より精度の高い仕事ができるという非常に新鮮なものでした。とかく仕事に関する言葉では「挑戦」とか、「前向き」、「積極的」なんていうのが主流ですよね。そんな中で、1年先まで仕事のスケジュールがびっちり埋まっているような、誰が見ても既に超一流職人の域に達している彼が口にする「臆病」と言う言葉と、その裏に隠された仕事に対する信念と執念。久しぶりに目にしたプロフェッショナルの仕事でした。
話はかなり飛躍しますが、今時代はバブルの再来などと言われ、人材マーケットは日米とも空前の売り手市場(仕事が多い状態)の様相を呈しています。そんな時は往々にして全てがスピーディかつ積極的であることが美徳とされがちです。でもこんな時代こそ、今一度原点に戻って、慎重な姿勢でこだわりを持って仕事選びをするのも一考ではないでしょうか。そしてそんな時に、我々キャリアコンサルタントのアドバイスやサポートが皆さんのお役に立てたらとても嬉しいですね。