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2011-03-21
チャイナシンドローム
こんばんは。春分の日が過ぎ、暦上では正式に春となりましたが、今朝のニューヨークはみぞれかもしれない、といった冷たい大粒の雨が降りました。先週の金曜日には70度を越える陽気だったというのにおかしなお天気です。今週はまたまた寒さが感じられる1週間になりそうとのこと。3月末のニューヨークですから仕方がないと言えば仕方のないことですが、74度なんていう空気を吸ってしまうと、どうも冷たい雨に不満のひとつもこぼしたくなるのが人情というもの。。。です。




でも、寒いと言ったところで家の中は暖かい暖房が入っていて、なにひとつ不自由なく生活をしているのですから文句は言えません。今回の日本の大震災で被害にあわれた被災地の方が寒さやひもじさ、不便さに耐えていらっしゃることを思うと外が寒いことくらい文句を言ってはいけないなぁ、と反省します。今朝のニュースでも被災地の方がインタビューをされていましたが、東北の方々なので言葉は少なく、日本語の上に英語が吹き返されているのでそうオリジナルな言葉は耳に届かなかったのですが、「寒い」とおっしゃったある老年の女性の一言には切ない思いでした。大地震と津波、家を失い、家族を失った方々もたくさん。そんなひどい災害をせっかく生き抜いた方々が寒さや空腹を耐えなければならないなんて、本当に切なすぎるお話しです。どうにかできないものなのでしょうか。このテクノロジーの発展している現代の世の中で、物も食べ物にもあふれている日本で、対応ができないのです。世の中のしくみは脆いものなのだとつくづく感じずにはいられません。今回の被害で命を失われた方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、被災地の1日も早い復興を心より祈ります。




¥原発も心配です。事態は好転していると聞きましたが、でも、本当に心配です。チャイナシンドローム、という言葉をご存知ですか?原子炉事故の炉心が溶け、中身である高温の核物質が原子炉心を取り囲んでいる容器も溶かして外に漏れ、次は建物の土台も溶かし、地中に浸透し、その漏れた核物質は地球も突ききぬけアメリカの反対側の中国にまで到達する、従ってチャイナシンドロームというわけです。1979年に公開されたThe China Syndrome という映画で世の中に広く知られるようになった単語で、奇しくもこの映画が公開された12日後にスリーマイル島での原発事故が起きたことで更に一般の人達の記憶に定着したものと思われますが、この映画のシナリオがこの言葉の産みの親ではありません。1971年に原子物理学者のRalphy Lappという人が、原子炉事故の炉心溶融及びその環境に及ぼす影響を世の中に問う仮説でした。さすがの高温核物質も地球を溶かしマグマもつきぬけ中国まで届くということはないそうですし、何よりもアメリカの裏側は中国ではないのですが、アメリカ人の大半はアメリカの裏側は中国だと思っていることから、チャイナシンドローム、なるべく言葉が生まれたとのこと。




とは言え、このことばが生まれたのはもう40年も前のこと。映画の大ヒットも32年前のことですから、チャイナシンドロームって何?と思う人口が大多数の現代ではないでしょうか。私もうろ覚えだったので、調べてみて、なるほど、と思った次第です。




そう思うと、このThe China Sydromeという映画を観てみたい、と思うもの。。。じゃないですか?で、この週末、福島県のことを思いながら、The China Syndromeをネットフリックスで鑑賞。やっぱり、私のように単純な思考の方々がアメリカにはたくさんいらっしゃるようで、ディスクを借りようとするとウェイティングになっちゃいますが、ストリーミングで観られますから、ご興味をお持ちになった方は早速今晩にでもご覧になってみてください。あるウェブサイトによるこの映画の解説は以下のとおり。




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テレビ局の女性キャスターが、原子力発電所を取材中に原子炉事故を目撃したことを発端とする、明日にも起こりうる悪夢を描くサスペンス・アクション映画。製作総指揮はブルース・ギルバート、製作はマイケル・ダグラス、監督は「ペーパー・チェイス」のジョームズ・プリッジズ、脚本はマイク・グレイ、T・S・クック、ジェームズ・ブリッジズ、撮影はジェームズ・クレイブ、音楽はスティーブン・ビショップ、編集はデイヴィッド・ローリンズが各々担当。出演はジェーン・フォンダ、ジャック・レモン、マイケル・ダグラス、スコット・ブラディ、ジェームズ・ハンプトン、ピーター・ドーナット、ウィルフォード・プリムリー、リチャード・ハード、ダニエル・バルデス、スタン・ボーマン、ジェームズ・カレン、ドナルド・ホットンなど。




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映画をこれからご覧にならられる方々もいらしゃると思いますのでストーリーを語らないでおきます。映画なので、そんなことはおこらないだろう、と思われることもも多々ありますが、その反面、映画の世界ではあるものの、現在、福島で原発が大変になっていることを考えると、やっぱり色々と考えさせられる映画でした。




私が何より考えてしまったのは、知る、ということについてです。現在の福島の原発の状況について、日本政府の発表とアメリカの公聴会で報告された内容はその温度差にかなりの開きがあるように思います。アメリカ政府は日本にいるアメリカ市民に対し福島原発から最低でも50マイル以上離れるように勧告をし、できれば国外に退去したほうがよいとのアドバイスも出ています。もちろんアメリカだけの姿勢ではなく、外資系の企業は次々と駐在員を即刻日本国外に退去させていますし、日本人も東京のあたりの方々も関西の方に一時的に移動されたり、核の影響を心配するのは当然のことだと思います。今起きていることはナンなのか、そしてそれはどういう影響を誰に、どこに及ぼすのか、自分のとることのできる行動はナンなのか、チャイナシンドロームのような事故の場合、そんな風に落ち着いた思考で物事をとらえることができるものでしょうか。人それぞれの受け皿の大きさがあり、知識の深さがあり、なんとも言えないことですが、私は、人間は目に見えない恐怖に対してそんなに強靭な精神力を持っていないように思います。手の平に直接地球の裏側からだって情報が届く時代です。そしてその情報が本当に正しいのかどうなのかが、もう誰もわからない時代になってしまったのではないでしょうか。メディアのみならず、個人が簡単に自由にいつでも情報を発信でき、いつでも自由に情報を入手できる時代です。たとえ、情報を発信している元々の人物が、純粋に現在起きていることを世の中に伝えようと思ったところで、本当にそこから発信される言葉は事実を映し出しているものなのでしょうか。恐怖に追い込まれて弱くなっている神経状態は最悪のニュースを事実としてとらえ、たくさんの人がパニックに陥り、大惨事につながりかねません。ましてやメディアが自分たちのレンズを通して報道することに大衆が扇動されてしまえば、事実をベースにしたフィクションに人は振り回されるわけです。その被害はあまりにも大きい、といったことになりかねない。でも、情報が大きな力によって操作される世の中であってはならないはずです。難しい問題です。









私は私たちには知る権利があると思います。ですが、知る権利を行使するからには知る義務、つまり自分がその情報を消化できるだけの知識を身につける義務もあるように思います。ですが、人それぞれ受け皿の大きさは違いますから、情報の質によっては結局私の受け皿では受けきれないものもたくさんあり、私も結局誰かの意思に振り回されてしまうのですよね。う~~~ん。難しい。そして管首相も大変な思いをされておられるのだろうなぁ、とちょっと気の毒になったりして、結局これといった結論に導かれません。









映画は結局、なんとなく割れる寸前まで空気を吹きこまれてパンパンになった風船が、結局、プスーッと空気が抜けてしぼんでいくような終結を向かえ(私にとっては、です。)、私は、なんとなく、これではジャック・レモンはなんのために命を投げ打ったのか、がイマイチ納得のいかないお終いで、ちょっと不満でした。




今、福島で起きていることとは程遠いお話しです。そして、Fukushima 50の方々の努力がジャック・レモンのようなことにならないよう心から祈るばかりです。




((大矢))