2011-07-29
暑中お見舞い申しあげます。
皆様におかれましてはお元気でお過ごしでしょうか。
全米中がヒートウェーブに覆われており、ニューヨークももちろん毎日暑い暑い日が続いております。ニューヨークは湿度も高い土地なので、あまりに暑くなると私は水を取り替えてくれない飼い主に飼われている酸欠で苦しんでいる金魚の気持ちがよくわかるなぁ~、と思うものです。
口をぱくぱくさせながらも食欲も減退せずしっかりと毎日を過ごしているので、私も元気な人間です。夏バテをされませんよう、どうぞご自愛くださいませ。
今週は1週間夏休みをもらいました。
有給の消化で、特にどこに行く計画もなく、1日数時間ずつオフィスに来てパートタイマーのように仕事をしつつ、あれこれ、用事をこなしているうちに、ゆっくりする暇もなく1週間がすぎてしまいましたが、家もきれいになり、気になっていた用事もほとんど片付き、気持ちはすっきりです。毎年、こうやってかけこみ有給消化をしようかな、なんて思っています。
さて、アメリカの議会はDebt Ceilingの件で両党の意見がまとまらず、8月2日の締め切りを目前にまさにデッドヒートな状況ですね。オバマ大統領も異例の記者会見をし、このままでは大変なことになると国民に訴え、自分の選挙区の議員に意見を伝えるようにと促しました。そうしたところ、各議員の事務所に電話が殺到し、大変な状況になったそうです。
私はパーマネントレジデント、つまりグリーンカードホルダーです。グリーンカードは10年に1度の更新ですから、私は残りの人生の長さ(予定)を考えるとあと1度の更新くらいだと思われますし、犯罪を犯す計画もなく、また、日本がアメリカと戦争をすることになるとも考えられないので、このままパーマネントレジデントとしてアメリカに住まわせてもらおうと今までは考えておりました。私は日本人です。どこに住んでいても日本人でありたい、という気持ちが心の中にあってのことで、日本人であるという私のアイデンティティーにこだわる気持ちがあるのです。
でも、このところ、真剣に市民権を取ろうかと検討中です。
というのは、この国でこれからも生活をしていきたいと考えており、高い税金も払っていることですし、自分の住んでいる国の行方を決める活動に参加をしたい、投票権が欲しい、と思うようになったからです。
日本で生活していた時は、私くらい投票しなくても何が変わるわけじゃない、と思い、政治にそう無関心だったわけではないですが、数えるほどしか投票をしたことがありません。あのまま日本に住んでいたら、今でも気持ちは変わっていなかったのではないかと思います。
でも、アメリカに来て、生活をし、仕事をし、9・11を経験し、オバマ大統領の誕生を経験し、金融破綻から始まった100年に一度の不況も経験し、アメリカ人と政治の身近さを知れば知るほど、政治に参加するのはアメリカ人の義務ではなく権利なのではないかと強く思うようになったのです。そういう国民の大きな気持ちを抱えて大統領になる、ということは、きっと言葉で言い表せないほどの光栄と重たい重たい責任なのではないかと思います。日本も直接選挙制度だったら、もう少し、強いリーダーシップをとれる首相が現れるものなのでしょうか。ここで生活をしていると、外国人だから、ということもあるかと思いますが、欲しいものは自分が努力して手に入れなければいけない、というのが基本的な姿勢だとつくづく感じます。不便なのがあたりまえ。自分が一体何が欲しいのか、欲しいものや欲しい生活を手に入れるためにはどんな風にがんばらなくっちゃいけないのか、ぼぉ~っとしていては全ての物事が目の前を通り過ぎていってしまうので、自分で考えて、自分で決めて、自分で行動を起こさなければ何事も始まらないのが、ここでの生活です。だから、自分の権利を主張することの大切さが身にしみて感じられるのかもしれません。
というわけで、市民権を取ろうかと考えております。といいつつ、何をしなければならないのか、どのくらい時間がかかるのか、なんていうことを全然調べていないので、ぼぉ~っと思っているだけなのですけれど。でも、間に合うのだったら、オバマ大統領に1票投票したいなぁ、と思ったりしているのですが、私にその行動が起こせるものかどうか、これは確かではありません。ぼぉ~っと考えるのみで終わっては権利の施行も何もあったものではないのですけれど。高い税金だけ支払って、なんて文句を言えた義理ではないのかも。
では、皆様、残りの夏をどうぞお楽しみください!
((大矢))