2011-11-07
先週日曜日の午前2時には、デイライト・セービングで時計が1時間戻り、
ニューヨークを始めとするアメリカ東部時間エリアと日本の時差は
14時間となっています。
そして1時間が得した日曜日の朝は、普通に起きても時間にも
余裕があったので、随分触っていなかった昔の本を引っ張り出し、
午前中はベッドの上でゴロゴロしながら、久しぶりに読書に耽っていました。
その本というのは、私が好きなフォトジャーナリストが1979年に発行したもの。
日本人女性で、日本でのアナウンサーの経験を経て、
フルブライトの交換留学生としてコロンビア大学大学院にて
ジャーナリズムを勉強されていた方です。
その間はハーレムに住みながら、1960年代の公民権運動で、
アフリカ系アメリカ人が、”ニグロ”から”ブラック”へと変化していく
怒涛の時代の変化を、ハーレムでの生活を通して描いています。
1960年代といえば、アメリカ合衆国の歴史の中でも大きな曲がり角の時代。
ジョン・F・ケネディーの暗殺から、マーティン・ルーサー・キング、
マルコルムX、そしてブラックパンサー党などの台頭があり、
アメリカの伝統的な価値観を、根底から揺さぶった頃ではないでしょうか。
私はハーレムに移り住んで2年半になりますが、
今のハーレムはすっかりお行儀良くなってしまっていて、
この本が描いているような、人々のムッとするような熱気や活力が
溢れている訳ではなく、こんな頃に住んでみたかったなぁと、
思わざるを得ないのでした。
一般的に黒人の教育水準は低く、貧困層が多いと言われていますが、
市民権法が制定されたのが1964年のこと。
50年も経っていないわけで、まだまだ歴史が浅いのだと思います。
大きなものを動かすのは、人々の根っこにある、ちょっとした意識の
違いからな訳で、今日で51目になるOccupy Wall Streetの活動が、
今後どんな風に育っていくのかが、楽しみです。
ある記事に掲載されていましたが、
本格的にリセッションに入る前の2007年の数字ですが、
全米ではトップ1%の人口が、全米の冨の23%を保持していたそうです。
そしてニューヨークでは、トップ1%が44%の冨を保持しており、
ボトム90%が冨の34%のみを保持しているという、
とんでもない数字が出ています。
ティーパーティー運動は保守派の草の根運動でしたが、
2010年11月の中間選挙で共和党大躍進の原動力となっており、
今では無視できない大きな団体です。
この不景気で、別にWall Streetにお金があるわけでは無いと
いう人もいう人もいますが、
それでもWall Streetは拝金主義的な資本主義の象徴な訳で、
世界を巻き込んだリセッションの大元。
Speak Upしなければ、何も始まらないですし、
このOccupy Wall Streetのムーブメントがどうなっていくのか。
私はこのムーブメントを、応援したいと思っています。
松浦