2012-02-27
先日、ある新聞で面白い記事を見つけました。
昨年4月に国公立大、私立大計48校の入学したばかりの学生を対象に、
日本数学会という団体が数学基礎学力調査なるものを行ったそうです。
調査では、小中学校で学ぶ内容を中心に論理的な文章の読解や記述力、
基本的な作図力を問う5問が出題され、その結果全問正答した学生は
わずかに1.2%だったそうです。
出題された問題のうちの一つがこれ。
「偶数と奇数を足すとなぜ奇数になるか、を論理的に説明せよ。」
さて、皆さんこれ出来ますか?
出来そうで出来ない、出来なさそうで出来そうですよね。理屈はわかっているが、
これを論理的に説明せよというところがミソではないでしょうか。
ちなみにこの問題の正答率は、19%だったそうです。
これをわずか19%と感じるか、19%もと感じるかは人それぞれだと思います。
要するに、調査を行った日本数学会は、さんさんたる結果の原因は、
ゆとり教育と少子化による大学全入時代の到来で入試の難易度が下がったことが主な原因であると言っています。
果たして本当にそうなのでしょうか?
受験戦争のど真ん中にいた私達の時代に、同じ問題を出されて19%以上の
正答率があったか正直なところ疑問です。
最近何かにつけて、「ゆとり教育の弊害」を口にする人がいますが、
それは本当に危険だなあ~と思う事が多々あります。
今回のケースも、もしかしたら原因は“ゆとり”ではなく、算数の通信簿が1の子どもと5の子どもを同じ教室で同じ授業を行うところに問題がある可能性だってあるわけです。
すべての事柄で原因と結果を結びつけるのは本当に難しいことです。
例えばゴルフでミスショットをすれば、その原因は、身体が開いていたから?、
ただ単にボールを見ていなかっただけ?
難しいですよね。
特に“教育”という長いスパンの事業では尚更です。
インターネットの発達によりたくさんのニュースや情報が入ってくるようになりましたが、それとともに、たくさんの意見や論評も目にするようになりました。
自分をしっかり持って、常に冷静な判断をしていく事は、これからの時代を生きて行く上で大切な事かもしれませんね。
鈴木