2012-05-02
日本行きの航空券が高い!びっくりしました。
昨年、すぐ上の兄が他界してしまって多少元気のない母を少し元気付けてあげようか、なんて柄にもなく殊勝なことを思いついてしまい、ちょっとそんなことを母に匂わせてしまったところ、母や姪っ子が大喜び。ちょっと言ってみただけ、というわけにはいかなくなり、それで2年ぶりくらいに航空券の値段をチェックしたのですが、本当に高い。。。私はこれまで日本に出かけるのは家の行事がらみが主な理由で、母に「航空券を買ってあげるから」と言わせ、偉そうに「しょうがないから行ってあげましょうか。」という態度で航空券を購入していたのであまり航空券の値段を考えたことはありませんでしたが、こんなに高かった記憶はありません。今回は特に家族の行事があるわけでもなく、私もいいトシでもあり、さすがに、母に航空券を買ってちょうだい、とはねだれない。しかも一応の目的は母を元気づけること。航空券を買って欲しいとは流石に言っちゃいけないでしょう。どうしようか、23分くらい悩んでみましたが、どうせ日本に行くのなら東京で友達にも会いたい、友達に会うのなら、ご飯だって食べることになるし、お土産だって必要。しかも私は実家が札幌ですから、東京に数泊するのであればホテルに泊まる必要あり。友人は何人もいますが、みんな家庭持ちですから、旦那さんやお子さんがいては気を遣うのはちょっと。。。じゃ、ホテルに泊まるしかないわけで。汚いホテルは嫌だしなぁ。。。東京のホテルは高いし、ご飯だってそれなりにするだろうし、なんて言ったってこの円高。怖い、怖い。。。なんて試算を繰り返し、到達した結論は、私のお財布の中身では日本には行けない、です。というわけであっさり、母には、日本行きは資金不足のため取りやめにいたしました、とメールを送り終了。こんな娘を持った母が少し不憫。。。ではありますが、こんな私を生産しこんな私に加工したのは母でして、製造者責任はあくまでも母にあるわけで。あははは。とどこまでも恩知らずな娘です。
脱線、脱線。今回のテーマは私の不憫な母の境遇や恩知らずな私の言動についてではなく、この航空券の値段がらみです。
日本行きがだめになったものの、旅行気分満々の私は早速、サンフランシスコの親友に連絡。6月に来ていい、というので、早速航空券の値段をチェック。安いじゃないですか!サンフランシスコの往復はなんと360ドルほどです。こんな安いのねぇ、と安心して、友人には、セコイアツリーを見に連れて行け、ワインカントリーで美味しいお肉料理を食べさせろ、お昼頃到着すると思うから仕事を抜け出して空港に迎えに来て、とわがままの限りを要求し(このあたりで私と知り合いになることに尻ごみされた方がたくさんいらっしゃることと思います。普段はそこまで大変なわがまま女ではありませんのでご安心を!母とこの親友だけは、世の中で私のわがままを120%ニコニコして聞いてくれて思いっきり甘えさせてくれる大切な存在でして、それを乱用している私。。。)、段取りがなんとなくついたところで、再度航空券を調べてみたところ、なんと!一晩で100ドル以上も値上がりです。ショック、ショック、ショック。急に私が行こうと思っていた日の空席状況が悪くなったのかと思えば、11月の果てまでも最安値がこの高値。しかもどの航空会社も揃いに揃って同じ値段に値上がりです。う~~~~~~ん。これは談合に違いない。よろしくないんじゃないですか、こういう風習は?ねぇ。というわけで、この航空券の高騰により、私のサンフラン行きの熱い気持ちも急に冷めてしまい、ひとまずは延期をすることに。。。
いったいどうしたわけで航空券がこんなに高くなっちゃったのかお分かりです?問題は運賃にあらず。日本行きの航空券なんて、なんちゃら税、なんちゃらフィーと、航空券の値段より、その他諸々のどの航空会社も同じ額を付帯する額が半額、下手すると航空運賃より高いわけです。貧民旅行者である私に納得ができないのは当然のこと。どの航空会社も同じ額をチャージするなんて、ちょっとそれ、談合っぽくないです?本当はそこで大儲けしようとしてません???なぁんて疑っちゃいたくなります。中でも群を抜いて高いのは燃料費。本当に石油には私たちの生活は一喜一憂させられますよね。知らないうちに電気代だってどんどん高くなるし。。。とにかく、私を日本やサンフランに快く連れて行ってくれる航空会社は出現しないものでしょうか???
とムカツク私の注意を喚起するようなニュースが!
デルタ航空がペンシルバニア州にある石油精製工場を150ミリオンドルほどで購入する予定を発表。燃料費は同航空会社の全経費の約3分の1を占める大きなもので、自社でジェット燃料に精製できることで年間に300ミリオンドルの経費が削減できるとのこと。(年間の総燃料費は12ビリオンだそうです。すごい。)経費削減はもちろんのこと、原油の値段が不安定なおかげで影響をうけるこの燃料費の激しいアップダウンをどうにか最小限に押さえたい、というのが同社の狙いの様子。原油の値段のコントロールは無理でも、原油からジェット燃料への精製という段階のコストに目をつけた、というわけです。燃料費のコストダウンと北米におけるジェット燃料の安定した供給が確保できる、というのがデルタ航空のビジョン。このところのジェット燃料の高騰と東海岸におけるジェット燃料の確保に伴う苦労を緩和できるというわけです。どうやら、近年の市場のダイナミックスの変化により石油精製業がかつてほど儲かる商売ではなくなってしまったようで、2010年以来東海岸地域においては施設の閉鎖や売却が相次いでおりキャパも50%にまで落ち込んでいるそう。そのおかげで2009年から2011年の間にこのエリアでの燃料費は3.5ビリオンドルも高騰する結果になり、つまりはそのしわ寄せが私たち消費者、パッセンジャーに降りかかってきている、というわけです。デルタ航空のこの大胆な動きは米国航空業界では初めての試みで、オイルビジネスに経験のないデルタが机上の損得勘定でこんなビジネスに手を出しても失敗をするだけだ、と、水をさす専門家もたくさんいらっしゃるようですが、私はブラボー!って思います。工場で働く人たちの仕事もなくならず、しかも、もしかすると航空券の値段も下がるかもしれない、つまり消費者はハッピー、そうすると、デルタ航空の人気はうなぎのぼり、ウィン・ウィン・ウィンの状況が生まれる可能性があるってことですよね。
いつ実際にその影響が実感できるのか私にはわかりませんし、思っていたような効果もないかもしれません。でも、こういう考え方がビジネスの健康を回復し、ビジネスが社会貢献をすることになって、そしてそういう社会で生きる私たちももっと本当に幸せを実感できるのかもしれなくはないでしょうか。
私はこれまでに何度かデルタ航空には痛い思いをさせられており、私の中でのデルタ航空の人気度は低めでしたが、このニュースを知って少し、デルタ君、やるじゃん、って見直しちゃいました。私をせめてサンフランシスコに気持ちよく連れて行ってくれる日が近いうちに訪れれば、大ファンになっちゃうかもしれません。。。デルタのマイレージのメンバーになっちゃおうかなぁ。
((大矢))