2012-05-30
電話で大事な案件や興味がある話を聞くときは右耳で受話器をあてているけど、セールス・コールや聞きたくない話になると無意識に左耳に変えているといったことはありませんか?
左右の脳に持った役割には、大きな違いがあることは皆さまもご存知だと思いますが、左右の耳にもそれぞれの特徴があり、実は左右の脳からの反応により私達は無意識に上記の行動を取ってしまうそうです。
左脳の主な機能は思考や論理的な事柄を司る機能で、右脳の主な機能は感性・感覚を司る機能だといわれていますが、右耳から入った情報は主に左脳に、左耳から入った情報は右脳に伝達されているそうです。これを裏付ける証拠が多数の研究から得られていますが、中でもイタリアのあるダンスクラブで行なわれた実験は大変興味深いものです。
調査員の女性が煙草をもらうためにクラブ客に話しかけるこの実験は、右側と左側から話しかけた場合での煙草をもらえる率を調べるというものでした。結果、右側から話しかけられた場合は88人中34人だったのに対して、左側からは88人中17人にとどまったそうです。右耳から頼んだ方が左耳からのときよりも煙草をもらえる成功率が2倍だったということですが、これは人間の両耳から入る音が脳内で別々に処理されていることを意味しています。
人は音声入力を右耳で聞きとることを好む傾向があり、両耳に刺激が与えられると、右耳に入ってきた音節のほうを優先する傾向があると指摘されてきました。脳科学者は、言語処理は脳の左半球が中心的な役割を担うとされていますが、その左脳では右耳の聴覚の流れのほうが優先されるという仮説を立てています。
また同学者曰く、脳は左半球が積極的感情に、右半球が否定的感情にそれぞれ同調しているらしく、右耳に話しかけられると、その言葉は、頼みを受け入れやすいほうの脳の部分に送られていくそうです。
そういえば、カフェで友達と会話を楽しんでいるときに、左側に配置されたスピーカーからの音楽は適度な刺激を与えてくれて、会話の邪魔になりません。しかし右側に配置されたスピーカーの場合、右耳に入る音がかえって邪魔になって会話に集中できなくなった経験がありましたが、今思えば納得いきます。
左右の脳の違いを知った上で、右耳と左耳の特徴を上手く使い分ければ、仕事や勉強の効率アップに繋がるということですね!
M.A