2012-07-17
ニューヨークでの私の通勤手段は地下鉄です。
地下鉄のクーラーはこの猛暑に負けてしまい、生温い温度を保つので精一杯。東京に比べるとマシだとは思いますが、それでも朝は通勤ラッシュで、この暑さと人の多さで、私も朝から負けそうになりながらも、今日も頑張るぞと意気込む、今朝もそんないつもと変わらない1日の始まりになるはずでした。
ところが、3駅目まで進んだところで、事件が発生!
同じ車両に乗っていた乗客の一人が、何が気に障ったのか分かりませんが、急に怒鳴り始めたのです。感情的になり、周りの乗客にひどい言葉をわびせ始めたのです。何もしていないのにも関わらず、侮辱する言葉をかけられた周りの人達はたまったもんじゃあありません。ここはアメリカ。もちろんそこから反撃が始まりました。そこからはすごい言葉が飛び交い、しまいには、被害にあった女性の乗客は泣き出し、その感情的になった男性は周りの人に唾をはきかけ始め、車内は大惨事に。。。(そして私も被害を被った人のうちの一人に、、涙)暫く駅で停車し、何とかその問題を起こした乗客を下車させようと、若い男性陣が奮闘してくれた結果、その乗客は下車し、車掌が対応してくれた為、怪我人は幸い出ませんでした。
車内に安堵感が漂った後、乗客の一人が「やったぜ」と嬉しそうな声をあげた瞬間、沢山の人達が拍手をしたり、ぴゅ〜と口笛を吹いたりと喚起に沸きました。フェイスブックに早速写真やコメントをアップする人もいました。さっきまでの険悪ムードは何だったのでしょうか。ある朝のエンターテイメントに早変わりです。アメリカに居る人達のこの気持ちの切り替えの早さにはいつも驚かされます。
このように書くと、その問題を起こした人が悪の根源のように見えると思いますが、実はその人はかなりの年配の方でした。言って良い事と悪い事はありますが、相手が誰なのか考えてもう少し周りの人達も冷静に対応してもよかったのではないでしょうか。一番被害を受けた女の子がいたのですが、その子は一言も反論せず黙っていました。事件が落ち着いた後、電車を降りる瞬間、彼女の頬を涙が伝いました。この一連の朝の事件の中で、その光景が一番心に残りました。きっととても傷ついていたのだと思います。でも、何も言わず我慢していた彼女がもしかすると一番冷静だったのかもしれません。
ニューヨークは本当に日々面白い事が起こる場所です。
地下鉄の中だけも、今回のような事件や、朝から電車の中で中華料理、しかも軽い朝食ではなく、麺類やお肉などを食べる人もいたりします。ドラマならまだ良いですが、朝からこってりした油の匂いが漂う車両は勘弁して欲しいです 笑。
そして私はこの後、なぜかキャンディーがスカートにべったりくっついていたり、事件のお陰で遅刻しそうになったりと散々なスタートを切る事になりましたが、こんな日もありますよね。
リクルーター奥村