2012-12-05
先週の日曜日、友人に誘われ久しぶりにカーネギーホールにコンサートを聴きに行ってきました。カーネギーホールで音楽を聴くのはとても久しぶりで、題目もベートーベンの皇帝とストラビンスキーの火の鳥、と、気持ちが上昇気流に乗るような作品で、このところ、ストレスで気持ちが沈みがちだった私はとても楽しみにして出かけました。マチネだったにもかかわらず、ほぼ満席。私はこのところ、リンカーンセンターの方が馴染みが深いですが、コンサートに行くといつも思うのが、こんな手ごろ値段でこんなにたっぷり、こんなにいいコンサートホールで一流のオーケストラや音楽家の演奏を聴けるのはすごいことだなぁ、ということと、Tシャツにジーンズみたいなとてもカジュアルな格好の人もいれば、それなりにちゃんとおしゃれをしている人もいれば、という聴衆の様子で、皆それぞれ音楽の楽しみ方が違うこと、そして、音楽が好きな人がたくさんいるんだなぁ、ということ。子供みたいな感想ですが、本当にそう思います。
私のホームベース(?)のリンカーンセンターと違い、カーネギーホールはどこのオーケストラもこのコンサートホールを拠点としていないため、クラッシックやジャズ、ポップスなどの各種音楽公演やその他の芸術事業の開催も多く、世界一流のオーケストラから、日本からやってくるシロウトのコーラス愛好会まで、気軽に誰にでも貸してくれるみたいです。その名称のとおり、鉄鋼王と呼ばれた事業家で慈善家だったアンドリュー・カーネギー氏によって建てられたもので、音の反響の均一性は素晴らしく、多分、どこの席で聴いてもほぼ同じ音が楽しめるはずです。どぉでもよいお話しですが、どこのコンサートホールも同じですが、安いチケットは標高の高いところに位置しており、一度この席からコンサートを聴いたことがありますが、高所恐怖症の私にはとてもとても恐ろしい経験でした。
さて、先週の日曜日のコンサートですが、The Metropolitan Opera Orchestra。メットオーケストラはそれなりに評判のよいオーケストラで、カーネギーホールではちょくちょく公演を行っています。オペラのオーケストラとしては聴いたことはありますが、こうやってオーケストラの公演として聴くのは初めてでした。音楽はクラッシックでもロックでもどんなジャンルでも聴けば聴くほど自分の好みがはっきりしてくるのと耳の感覚がよくなってくるのとで、どんな人もそれなりに一過言あるようになるものだと思いますが、コンダクターのスタイルなのでしょう、とてもきちんとした四角い箱にはまったお行儀のよい演奏のように聞こえ、どうも私には心の琴線に触れる音じゃなく、皇帝のピアニストもベテランのソフトタッチな流れるような演奏をするピアニストで(どうも私が聴いたことのあるベートーベンを弾くピアニストはそういうタイプが多いように思います。)、大きな感動はありませんでしたが、やっぱりベートーベンもストラビンスキーも天才だなぁ、とあらためて思った午後のひとときでした。帰りがけにモニターで流れていた小澤さんの情熱的な指揮ぶりのほうが、実は実際のコンサートより深く感じるものがあり、鳥肌がたってしまいました。小澤さんがお元気でないのがとても残念。昔々のブログにも書きましたが、小澤さんを至近距離で発見したことがあり(昔、カーネギーホールの裏にあった、まるちゃん、という定食屋さんでした。)、あまりにもいい方で本当に感動でした。美しい音楽を作る人は心が美しくなくっちゃいけないんだと思います。でも、その美を生み出すためのエネルギーは並大抵のものじゃないんでしょうね。ベートーベンも、シューマンも、ショパンもモーツアルトも、みんな短い一生です。昔の映画で、Round Midnightというジャズミュージシャンのお話がありますが、そのセリフから。。。When you have to explore every night... even the most beautiful things that you find can be the most painful.
今年のコンサートで私が一番感動したのは、夏にしかも無料で聴くことのできた、ニューヨークフィルのマーラーの交響曲第2番、復活、でした。9/11から10年の今年、ニューヨークの復活を誓うニューヨークフィルの記念コンサートで、チケットが無料で配布されたのですが、暑い中何時間も並んだ甲斐があったコンサートでした。小澤さんのビデオに感動して、家に帰宅してからユーチューブで小澤さんをサーチしてみたところ、なんとこのマーラーの交響曲第2番の演奏が全て納められているものがあり、すぐにダウンロードしたのは言うまでもありません。
クラッシックがお好きではない方にはつまらない話題でしたね。私はちなみに、70年代のロックが大好きです!God Save The Queen!!!
((大矢))