ロック・クライマーの友人がある舞台をしているとのことで、先週末に妻と2人で彼女のショーである『Sleep No More』を観ました。
このショーの場所はチェルシーにある閉館ホテルで、建物全体が1つの舞台になっており、観客は全員、白いマスクをかぶって観賞するという新感覚の体験型アートショーです。またストーリーはシェイクスピアの4大悲劇の1つ、マクベス夫人の悪夢がテーマになったものです。
閉館ホテルに入ると、すぐに手荷物を預けるよう言われます。真っ暗の怪しげな通路を
進んで行くとチケットと引換に、案内人に1人1枚のトランプカードが渡され、そのまま奥に通されて、30年代の雰囲気を漂わすジャズバーに辿り着きます。「ジャックとハートの4のカードを持ってる人、こちらへ来てください」と案内人に言われ、その後、白いマスクが私達、観客に配られ、それを装着しました。会場内では、マスクは脱げず会話も禁じられます。
それから数人づつ、エレベーターに乗せら、「ビルは6階建て、プラス地下1階、ここからは階段を使って好きなように好きな階へ自由に行ってください、解散!」と案内人が語り、エレベーターを降りたら、いきなりその場その場でそれぞれの役者が演じるパフォーマンスが始りました。ちなみに友人が演じるキャラクターの舞台場所を探しましたが、暗闇ということと、キャラクターが多すぎて結局、そこでは彼女を探せませんでした。
舞台の役者たちは目と鼻の先にいる観客無視でたんたんと演じ、彼らはストーリーに合わせて部屋を移動、ホテル内を歩き回る無言劇で、私達、観客も彼らの後を追うような形でショーを観ます。同じキャラクターを追う必要もなく、観たいキャラクター達だけを観ればいいといった感じです。またホテル全体で同時に違うパフォーマンスが行われるから、1度では全部のシーンや役者は観れません。だから何度でもこのショーに戻りたくなるような設定に仕組まれているのは本当に感心しています。
どこでどのようなパフォーマンスに出くわすのかは、人によって違いますが、でも見たいキャラクターについて行けば、誰でも必ずラストのシーンにたどり着くといったコンセントにも驚かされました。妻も私もこのショーにハナマルです!
新感覚の体験型アートショー、『Sleep No More』、是非とも一度観に行ってみてください!
【有保】