「戦略と戦術はどう違うか?」と、よく聞かれますし、自身の整理目的ということもあり、これらの違いについて私なりに理解したことを今回、書かせていただきます。
「経営戦略」っていう言葉、 皆様もよく使ったり、耳にしますよね。 戦略も戦術もどちらにも「戦」の字が入っていることからも明らかなように、 戦っている人のための用語であり、 戦いに勝つためのものです。
戦略(strategy)とは、 戦場に行かずに練るもの、 将軍が全体のことを考えて長期的な視野で組み立てるもので、一言で言えば戦争に勝つための計略です。その 一方で、 戦術(tactics)は戦地での行動様式であり、現場で戦っている兵士の動かし方を規定する短期的な個別の作戦といわれており、戦闘に勝つための計略です。
社長が考えるのが戦略で、 工場長が考えるのが戦術だ、と話している方もいらっしゃいましたが、確かに端的でわかりやすい例えですよね。
また戦略は、大局的見地から、達成したいものをどのような道筋で達成するのかを考えるのに対して、戦術は、個々の局面における具体的な方法や手法とも言えますので、簡単に言えば、戦略と戦術の視点がマクロかミクロかってことなのでしょうね。
ちなみに、IBM・シティバンク・マイクロソフトなど全米400社以上の有力企業のマーケティング・コンサルタントを務めたJay Abraham氏の話題の本、「High Power Marketing」の中でこう言っています。「戦術の間違いは、戦略でカバーできるが、戦略の間違いは、戦術ではカバーできない」
つまり戦術とは戦略の中に存在するものですから、戦術でどれほど優れていようとも、戦略に劣っていれば戦争には勝てないということでしょうね。
以上です。
有保