2014-08-05
最近気になる話題があります。それは、“シェアハウス”。
Wikipediaによると、“ひとつの住居を複数人で共有すること。”
定義を求めるまでもないですが。
シェアハウスはルームシェアと同じく経済的な負担を軽くするため、というのが主な目的だと思っていましたが、日本でのシェアハウスはそれだけではないようです。
日本にはどんなシェアハウスがあるのか調べてみましたが、なんともおしゃれな家ばかり。共有部分の庭やリビングが広く、とてもきれいな家や立地がよいところも多く、そのほとんどは、業者がシェアハウス用に建設したり、リノベーションをしたもので、女性専用のシェアハウスもあり、経済的負担の軽減のみならず、安全面やこんなおしゃれで便利な場所に住めるという立地に考慮した目的にもなっています。住居人同士の問題があっても、業者が間に入って解決してくれる場合もあるということなので、面倒からも開放されます。
さらに進み、個人でもある目的を持って同居人を集うというシェアハウスもあるそうです。最近の日経新聞の記事ですが、複数人で住むシェアハウスの一角を外国人に無料で提供をし、家での公用語は英語にして語学を学ぶ目的ではじめた人もいます。この方は、外資系企業に転職をしたといいますから、十分に効果があったということになります。
語学だけでなく、今は様々な目的でシェアハウスの住人を集っているそうです。
シングルマザー同士、コンピューター関連の人たち同士、様々なフリーランスの人がシェアハウスをしてクリエイティブな仕事を創造する目的で集まる場合もあるそうです。また、通常の賃貸アパートなどに共有部分をプラスしたソーシャルアパートメントと呼ばれる、個人の生活を確保しながら、他者とのコミュニティーも確保するという住居形態で、出会いや助け合い、または新しい仕事のチャンスを提供するシェアの方法も登場しています。
シェアハウスはもう単なる空間のシェアだけではないのです。
アメリカのシェアハウスというと、少し前で言えばMTVのTHE REAL WORLDや、JERSEY SHOREが思い浮かびます。最近で言えば、BIG BROTHERでしょうか。まだ観たことはありませんが、日本でも”テラスハウス“というTV番組が話題になっているとか。
TVということもありますが、どれも同居人同士のドラマが目的で、そしてしばしば激しいやり取りや行動が話題となるものばかり。
現実のアメリカでのルームシェアやシェアハウスはあくまでも経済的理由によるものが多いように思います。できれば一人暮らしをしたいけれど、ニューヨークの高い家賃は払えないから仕方なく、という場合が多いのではないでしょうか。 シェアハウス自体に多様性は求めていないように思います。
一方シェアハウスに多様性を求め、“経済”や”共有“以外の目的を付加する日本。おひとり様、そして高齢者がますます多くなっていく将来、昔のような隣近所の付き合いが望めない希薄は関係を考えると、確かにシェアハウスは様々な問題を解決するひとつの要素かもしれません。
シェアにまつわり、上記の日経新聞にはお墓のシェアに関しても触れていました。少子化や、未婚の人が増える中で、家族のお墓の面倒をみることも難しくなっており、共同墓地に入ることを決めている人も多いといいます。墓友を募る方もいらっしゃるとか。
“Sharing is caring”と言う言葉はありますが、アメリカでのシェアは両立した個人同士の間のことで、もっとドライでビジネスライクな感じがします。かたや日本の場合のシェアは漢字の“人”のようにお互いに支えあうために存在するような感じです。長屋も、隣近所の助け合いもなくなったといいながら、日本人には形は変えても他人とのかかわりを求めるDNAが存在するのでしょうか。
神長