2014-09-10
急に冷え込んできたニューヨークです。
ニューヨークの季節は一晩で変わります。これは私の故郷、札幌と一緒です。
昨日まであんなに暑かったのに、今日は肌寒いわけ~?なんて思っちゃシロウトです。
昨日までタンクトップでも、今日からはブーツっていう切り替えが平気でできなくちゃ、です。
この週末はまさにそんなお天気でした。
この週末、皆さんはどうお過ごしになられましたでしょうか。
私はテレビにクギヅケでした。USオープンテニスです。
私は球技は全くだめ。ボールにおちょくられるタイプっていうのでしょうか。
でも、テニス、観るのは大好きです。
USオープンはもちろん毎年楽しみにしている年中行事。
テニス人口は案外多いと思いますが、やはりまだまだ全米で言うと市民権を得ていないスポーツのようでUSオープンだというのに、週末しかナショナルネットワークでのテレビ放送がありません。スポーツチャンネルなんて契約していなく、iPhoneでなんでも済ませてしまうことを覚えてインターネットもやめてしまった私は、トーナメントが始まってからというもの、平日の夜はラジオ放送に耳を澄ましておりました。(なんと来年からはESPNしか放映権がないらしいという悲しい事態。余談ですが、テニスのラジオ中継はすごい。あの刻一刻と変わる状況を実況中継できるアナウンサーを尊敬してしまいました。夜遅くの解説者は結構おもしろい人だったりして、ラジオも結構楽しい娯楽です。)
今年は男子テニス界のBig 4のひとりナダルが怪我で出場できない、マレーは調子があがってきているもののイマイチ、というわけで、ジョーコビッチさえ倒せれば私の愛してやまないロジャー・フェデラー様が優勝できるのではないかと、始まる前からドキドキ。
ところが、ところがです。もう一つ大きなドキドキがこの大会に潜んでいたことを私は知りませんでした。日本人なら、テニスにご興味をお持ちじゃなくても、きっと今回の大騒ぎを耳にされたはず。
そう。にしこり君です。ニシキ(錦)織(オリ)と書いてニシコリ、って読むんですね。珍しいお名前。
日本人で初めて世界ランキング10位に入ったという噂は聞いていました。
でも、こんなにドキドキさせてくれるとは思ってもいなく。
今回のトーナメントをどう勝ち抜いたかの感動の物語を私がここで語るとエンエンとお話しが続いてしまうので、ご存知ない方はグーグルをしてください。
5フィート10インチというテニス選手としては小柄な背丈。つまり、上背のある選手のようにビッグサーブはできないし、リーチだって小さいわけです。そのちっちゃな(?)にしこり君ですが、技術が素晴らしい。そして動きが俊敏。そして、くさらない。これがすごい。彼は世界のトップランキング選手相手に何度も苦境に立たされるのですが、腹を立てない、くさらない。これはエライ子が出てきたものだと本当に感心、感心。24歳の若者、アナウンサーにもKidとか呼ばれちゃってましたけど、このKid、くさらないだけじゃなく、エラブラナイ、オゴラナイ、図に乗らない、まったくもって、エライエライ。色々なテニスの選手がいるものですが、私はテニスというスポーツにはやっぱり品格が必要なんだと思います。だからこそテニス。プレーが上手なだけじゃ王様にはなれないんじゃないでしょうか。テニスに限らず、どんなスポーツもそうかな。そういうストイックな美に感動をするものなんじゃない、ですか?現在のテニスの王様は誰でしょう?それは文句なくフェデラーでしょう。彼の勝ち方の美しさも素晴らしいことながら、負け方が一流なのにも私は感動します。スポーツだけじゃない、どんな世界でも一流な人はそういうストイックな品格を持っているものなのではないかと思います。錦織くんはなんとなく、そういう品格を持っていそうな匂いがして、私はこれからの彼の活躍がとても楽しみです。この将来有望な若者は、このUSオープンでなんと世界ランキング1位のジョーコビッチを破り、アジア出身の選手としては初めてグランドスラム決勝進出を果たしました。決勝は敢え無く負けてしまいましたけれど。多分、準決勝でのジョーコビッチ戦で持ってるものをぜ~んぶ使っちゃったんだろうなと思うのです。テニスは本当にメンタルなゲームだと思います。だから、色んなドラマが起きるのです。今年のUSオープンの決勝は錦織くんは負けるべくして負けました。仕方がない。でも、これが終わりではなくこれが始まりなんだと私は思います。楽しみです。
つくづく、一流な人は、物事をしっかりと心でとらえているものだと思います。そして生き方が美しい。その美しさが人の心を打つのではないかと、今回のUSオープンを満喫した私の思うところです。私もリンとした品格のある人間でありたいものだと思います。
おまけですが、今回のUSオープンでは、その昔の大物選手がコーチとして顔を揃えたことも話題になりました。そのお話しもしたいものですが、それはまたの機会に。機会があれば。でも一言だけ、華麗なるフェデラーのコーチはやっぱりその昔フェデラーのような華麗なプレーをしたエドバーグでした。年齢を重ねてさらにかっこよくなっておられ、ドキドキいたしました!
((大矢))