2006-11-18
とある留学時代の友人、みさこさんから「2007年の働く女性についての未来予測」について書かなければならないので、アンケートをお願い!とEメールが届きました。彼女は現在、日本にある経済研究所にて勤務をしている人物です。フムフムと思い、早速アンケートに回答し返信したところ、今回のアンケートの趣旨は“女性の留学が、キャリアアップにつながったかどうかを知りたかった”からと返信が来ました。今回は日本で職務経験がある留学経験者を対象としているようです。みさこさん自身、日本では金融業界での経験が長く、夫婦そろってマスター/ドクター留学を私費でしており、2年ほど前に日本に帰国したのです。
こういうみさこさんの経歴を描くと、日本帰国後はさぞや華々しいキャリアが待っていたのだろうと思われるのですが、実際は想像以上に就職活動が大変で、自費留学だったために、かなりの経済負担があったよう。彼女曰く“同世代(今やもっと若い)の人たちが、コンドなどを買っているのを見ると別世界の話のように思われます”との事。
日本ではまだまだ年齢制限があり、留学期間が単純にキャリアのブランクと取られてしまう中で、いかに早く卒業し社会に復帰するかが問われて来るようです。みさこさんも言っている通り、損得勘定だけならば、そして卒業後は日本で就職したいならば、会社に勤めながら、夜間に日本の大学や大学院に通うのも、ひとつの手なのでしょうね。
実際みさこさんの女友達の中にはカナダの大学院を卒業し、某有名大学の留学生センターに就職した方がいるようです。ところが数年後に教務課にまわされ、今は成績証明書の発行のみをしているそうな。日本の組織は、generalist志向がまだまだ強いので、彼女の能力と経験に応じた職を与えることに関心がないように思われる、と。みさこさんは今回のアンケートでは、実はかなりのネガティブな回答を予想しており、結局はアイヴィー・リーグでMBAを取った人物が外資系銀行・証券会社でディーラーになるくらいしか、留学を評価されていないような気がしていると言われています。
とはいえ、華々しく活躍している人物がいるのも事実。私の先輩の中にも、大手公認会計事務所にてばりばりと税務の仕事に取り組んでいたり、友人はファッションデザイナーとして自分の会社を立ち上げ、生き生きと意欲的に仕事をしています。
では私にとっての留学は?と考えてみたところ、正直なところ、勉強したビジネスやマーケティングの“知識”はあまり役に立っていないように思います。ビジネスは結局のところ、知識ではなく実践することで学んでいくものだと実感し、今仕事をしながら学ぶことの方が多々あります。とはいえ、留学時に身に着けた語学力、コミュニケーション能力、そしてネットワークは今でも非常に大切なものです。何よりも自分自身、未知の事に挑戦することで、かなり成長できたのではないかと思っています。
日本ではまだまだ女性の社会進出については難しいところはあるものの、主婦の力をプロディースする株式会社 ハー・ストーリー(代表 日野佳恵子氏)のように、ここ最近口コミで広がった女性だけで構成されている会社もあります。“働く女性の未来予測”が明るくなれば、そして日本が優秀な女性の活躍できる社会になっていってくれればなと強く願っている次第です。
参照:
株式会社ハー・ストーリー
http://www.herstory.co.jp
キャリアコンサルタント 松浦