2006-12-12
12月。ニューヨークは街中がクリスマスモードです。この時期はやっぱりクリスマスツリーが主役ですよね。というわけでニューヨークのクリスマスツリーについて少々。
ニューヨークはなんと言ってもきっと一番有名なのはロックフェラーセンターのツリーでしょうか?ご存知だとは思いますが大きな大きな本物の木です。今年のツリーがどこからやってきたのか、リサーチをしていなくてごめんなさい、よくわからないのですが、「家の木を使って欲しい」というオファーが毎年NBCには殺到するそうで、その中から厳選されたツリーというわけです。あそこまで大きくなるには100年以上かかるだろうに、切っちゃっていいのかしら、っていつも思うものですが、大きければいいってこともないですが、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーは、やっぱり見ごたえがあります。3000個以上のちかちかと光るきれいな飾りもちゃんとデザインされて衣装として施され、テレバイズされた点灯式なるものがあるので、NYを訪れたことがなくてもアメリカに住んでいればこのツリーは目にするものですね。きっと。
ロックフェラーセンターのツリーも素敵ですが、実は(というほどのこともなく、ニューヨーカーなら誰でも知っていますが)、リンカーンセンターのクリスマスツリーも素敵です。ロックフェラーセンターは華やかさが売り物とすると、リンカーンセンターのツリーはクラッシック。青い光を貴重とした古き良き時代物、という感じがします。リンカーンセンターと言えば、先週のブログにも登場したメットがバックにどーんと控えていますし、この時期はなんと言ってもNYシティーバレー団のくるみ割り人形が公演中で、やっぱりここはクラッシックがよく似合うところですね。リンカーンセンターの中には実はもうひとつ有名なクリスマスツリーがあります。お金を払わなければ見ることができないのですが、上記のくるみ割り人形に出てくるツリーです。私は今までに幸運なことに2度、このリンカーンセンターでくるみ割り人形の公演を観た事があります。2度とも結構よい席でしたので、クリスマスツリーも堪能しました。くるみ割り人形のストーリーはご存知ですか?クリスマスパーティーでくるみ割り人形をプレゼントにもらった女の子の夢の中のお話で、くるみ割り人形と一緒にファンタジーの世界を冒険するのですが、女の子が人形のサイズに小さくなるところを、特撮も何もできない舞台ではどうすると思います?クリスマスツリーが大きくなるのです。この場面は見ものです。というわけで、あまり階の高い席ではなく、できるだけ階の下の方の値段の高い席からの鑑賞をおすすめします。
もうひとつ、ニューヨークで有名なクリスマスツリーは、メトロポリタン美術館の中にあります。毎年この時期にだけ飾られるやはりとても古い古い、歴史のあるオーナメントも飾られるとても素敵なツリーです。このツリーだけを見にメトロポリタン美術館を訪れてみるのも素敵です。メトロポリタン美術館に入るのに15ドルも払うのに???いいえ、メトロポリタン美術館は決まった入館料はありません。15ドルはこのくらい払ってくれると嬉しいなぁ、という美術館側の希望にすぎず、1ドルしか払わないのであれば1ドルでお願いします、と、どうどうと伝えればよいのです。嫌な顔ひとつされませんからご心配なく!
クリスマスツリーと言えば、去年はこれをクリスマスツリーと呼んじゃいけない、といったPC的なムーブメントがあって、なんだかアメリカもここまで来てしまっちゃなぁ、と少し悲しい気持ちがしたものですが、今年はどのTV局もクリスマスツリーと何の躊躇も冷やかしもなく呼んでいるので、よかった、と思っていたところ、今朝のニュースでシアトルの空港のクリスマスツリー騒動が報道されていました。どうやらクリスマスツリーだけじゃなくってメノーラも飾らないのはおかしいという訴訟が持ち上がったため、空港側がせっかく飾ったクリスマスツリーを片付けてしまい、それはないんじゃないか、という声があがり、訴訟を起こした人物も空港側のそこまでの反応に驚いたらしく、なんだかんだの末訴訟はとりさげられ、空港側もメディアに大きく取り上げられたためか、結局クリスマスツリーを再度飾り、来年以降はメノーラも含めて他の宗教にも対応できるような飾りつけにするのか、を協議するとか。。。
日本人はだから宗教観がない、って言われるかもしれませんが、やっぱりクリスマスツリーはクリスマスツリーですよね。この時期のNYからクリスマスツリーが消えてしまったらどんなに寂しいことだと思いませんか?誰がなんと言ってもやっぱり、Merry Christmas!
(大矢)