2016-10-03
こんにちは。ニューヨークの大矢です。
来週、6年ぶりに日本に行ってきます。
実家に行くのは10年ぶりくらいです。
私は道産子で、札幌で生まれ育ちましたが、
海の食べ物が苦手。
魚料理は、生はもちろん、煮ても焼いてもディープフライも食べられません。
魚のほのかな風味もだめです。
私は玉子が大好きで、特に玉子焼きには目がないのですが、
昔、ランチにどこかのお弁当を買ったら、
私の大好きな玉子焼きがなんとサバの塩焼きにぴったり寄り添って置かれているじゃないですか。
う゛。。。信じられない惨劇です。
ミドリのビニールの短冊で一応仕切りされているその姿をしばらく見つめ、
玉子焼きを食べるべきかどうか悩んだ挙句、
さばに寄り添っていた側の半分は切って捨て、
さばとは無関係の外側の玉子焼きを食べる一大決心。
黄色くおいしそうにな光を放って私を魅了する玉子焼きの魅力に屈したわけですが、
おいしいはず、と信じて口にした玉子焼きは、
口の中に入った瞬間にサバ臭を発散。
口中に広がるサバの臭に耐えられず、
玉子焼きを吐き出してしまうというみっともないことになりました。
というわけで、皆さんのように、日本に帰ったら、これを食べて、あれを食べて。。。
という楽しみがそうありません。
私の食べたい日本食はたいていはマンハッタンで用が足りちゃいますし。
ニューヨークだと日本に行ったこともないアメリカ人の方が私よりはるかに日本食通だと言えるでしょう~。
とは言え10年ぶりの札幌ですから、マンハッタンで食べられないものは何かなぁと考えてみて、
味噌ラーメンに行き当たりました。
ニューヨークは今、ラーメンブーム。あちらこちらにラーメン屋さんがあります。
日本人が丹精込めてつくっているラーメンもありますし、
な~んちゃってラーメン屋さんもありますし、
アメリカ人がラーメンにはまってラーメン屋さんを開いちゃった、というお店もあれば、
アイアンシェフ森本さんまでラーメン屋さんを開きました。
私もラーメンは好きですが、ラーメンと言えば味噌、というこだわりがあるせいか、
それとも郷愁のせいか、
札幌の味噌ラーメンがニューヨークでは見つからないので
美味しいと思うラーメンになかなか出会えません。
インスタントラーメンの味噌ラーメンの方がおいしいと思うくらいです。
なので、10年ぶりに味噌ラーメンを食べて来ようと思っています。
で、いったいまたどうして札幌のラーメンは味噌ラーメンが顔なの?とふと思い、
グーグルしてみました。
私の友人にいつもからかわれますが、なんでも、語らないと気が済まない性格で。
どうやら、もともと札幌市内にあった中華料理の食堂で中国人によって手延べメンをゆでスープに入れるという今のラーメンの原型が生み出され(1922年だそうです)、その後日本人向けの味に改良されて札幌市内にラーメン文化が生まれたそう。
昭和初期にはすっかり札幌ではラーメンが愛され、喫茶店では1杯10銭のコーヒーと、一杯15銭のラーメンが大人気を呼んだのですって。でもこの時のラーメンは鶏ガラスープ塩味ベースのラーメン。麵も細い手延べ麵。戦争で食糧難になり、この元祖札幌ラーメンは姿を消したそうな。
今のスタイルに近づいたのは、戦後、満州などからの引揚者たちがススキノの屋台で作った豚骨から煮出した濃いスープによるラーメンが源流。でも、この頃は醤油ラーメン。麵は東京で修行した西山仙治さんという人の作る面が評判を呼び、自分の開業した人気ラーメン屋さんだけではなく、他のラーメン屋さんの麵も手掛けるようになって、札幌ラーメンのあのもちもちした黄色のちりちり麵が定着したというお話し。
で、肝心の味噌ラーメンですが、味の三平、という名前の大衆食堂の店主だった大宮守人さんという人が、リーダーズ・ダイジェストに掲載されたスイスの食品メーカー、マギー社の社長の「日本人は味噌をもっと料理にかつようするべき」という文章を目にして、じゃ、味噌をベースにしたラーメンを作ってやろう、と一念発起。日本隠しから味噌を取り寄せたりしてあれやこれやと試行錯誤を重ねた末に、1963年に店のメニューに正式に味噌ラーメンが登場することとなったそうです。
かなり奥深い、しかも、味の三平、なんていうなんでもない名前の大衆食堂のオーナーが、当時、リーダーズ・ダイジェストなんて読んでたわけ?スイス人の言葉に触発されたことが味噌ラーメン誕生のきっかけなわけ???と、案外奥が深いインターナショナルな食のルーツに少々驚き。へ~え~~~。
以上、味噌ラーメンのお話しでした。
札幌ラーメンと言えば味噌、っていうのは3代目のラーメンのことだったんですね~。
知らないことばっかりでした。
知ったからって特に世の中の足しになるお話しではなかったですが。。。
ちなみに、トッピングはメンマ、チャーシュー、ネギ、ゆで卵、もいいのですが、モヤシ、玉ねぎなどの野菜と豚肉(私はひき肉がお好み)を中華鍋で油たっぷりで塩コショウ味でいためたボリュームたっぷりのトッピングも超イケてます。このトッピングは、中華料理店で出されたラーメンが始まりで、メンをゆでる間に手元にあった野菜と豚肉を炒めてのっけてみました、という偶然の産物が人気を呼んだとか。
あ~、おなかがすいてきました。味噌ラーメン、楽しみっ!
((大矢))