弊社にインターンにいらっしゃった市川さんに’’Z世代の日米比較~価値観・行動・文化の違いを理解し、共創を実現するために~”というテーマでレポートを書いていただきました🤔

Z世代(Generation Z)とは、一般的に1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代を指します。


1.はじめに:なぜ今、Z世代を語るのか

 1990年後半以降に生まれたZ世代は、現在多くの職場や社会の第一線に進出し始めています。日本でもアメリカでも、彼らの存在感は年々高まり、企業や教育、行政までもがこの世代の価値観に注目するようになっています。
 しかし、その価値観や行動様式は、これまでの世代と大きく異なり、ときに摩擦や誤解を生むこともあります。本記事では、Z世代の中でも特に日本とアメリカの比較に焦点を当て、文化背景の違いや共通点を整理しながら、「なぜ彼らを理解することが必要なのか」そして「どう共創につなげていけるのか」を明らかにしていきます。

2. 日本のZ世代の価値観と行動特性

 日本のZ世代は、安定や調和を重視する文化的価値観を色濃く受け継いでいます。彼らはバブル崩壊後の経済不安や自然災害、感染症など、さまざまな社会的混乱の中で育ちました。
たとえば、内閣府の「子供・若者白書(令和3年)」によれば、日本の若者の約7割が「他人との関係性を壊さないことを優先する」と回答しています。
また、「自分の考えよりも、集団としての調和を優先するべきである」と考える割合は65%に上り、アメリカの同世代の約25%と比較してもその差は顕著です。
一方で、Z世代は一律な価値観の押し付けには敏感であり、自分なりの“居心地の良い場所”をSNSや小さなコミュニティの中に見出す傾向もあります。

3.アメリカのZ世代の価値観と行動特性

 アメリカのZ世代は、多様性と変化の中で育ってきました。政治的議論、気候変動、Black Lives Matter、そしてパンデミック。彼らはそのすべてをリアルタイムで体験してきた“デジタルネイティブ”です。
Deloitteの「Gen Z and Millennial Survey 2023」によれば、Z世代の67%が「職場でも自分らしくありたい」と回答。
McKinseyによると、75%以上が「多様性は重要な価値」と捉えており、職場では心理的安全性を求めています。
PwCの調査では、68%が「フルリモートまたはハイブリッド勤務を希望」。Investopediaの2024年調査でも、64%が「心の安定や幸福感を富よりも優先する」と回答しています。

4.日米Z世代の違いと背景の理解

 “Z世代”というラベルの下には、実に多様な価値観が存在します。

シーン日本のZ世代アメリカのZ世代
会議での発言空気を読み、控えるのが礼儀 発言しないのは関心がないと見なされる

指示の受け方
丁寧な説明が安心材料自由裁量の余地が少ないと不満を感じる
評価の重視点努力やプロセスを見てほしい 結果と自己裁量を重視してほしい

5.実体験:サッカー部で見た日米の価値観ギャップ

 大学のサッカー部での出来事を通じて、私は日米Z世代の違いを実感しました。
アメリカ人のチームメイトが練習方法についてコーチに堂々と意見を伝えている姿に驚いた私は、「なぜあんなに強く言えるのか」と聞いたところ、「チームのために必要だから当然だよ」と言われました。
自己主張が信頼関係や成長につながるというアメリカの価値観を学ぶきっかけになりました。

6.共通点から見える“協力の可能性”

共通点を起点にしたアプローチが、協力関係を築く鍵になります。

7.Z世代との共創のために私たちができること


Z世代の潜在力を引き出すには、個別の対応と尊重が不可欠です。

8.おわりに:違いを越えて、共創へ

 文化の違いを否定するのではなく、「新しい価値を生むための素材」として捉える視点が大切です。
🇯🇵 日本のZ世代は、安定や調和を重視し、慎重かつ責任感の強いアプローチが強みです。
🇺🇸 アメリカのZ世代は、自己表現や多様性を活かし、スピーディーで柔軟な行動が特徴です。

どちらも優劣ではなく、違い=価値の源泉です。

そして、Z世代に共通する価値観、
「自分らしさ」「社会的意義」「デジタル感覚」――
これらを活かすことが、日米の“共創”を実現するカギになります。

あらためて、冒頭の結論をお伝えします。

Z世代を理解することは、日米での誤解を減らし、共創を生む鍵である」

ご拝読、ありがとうございました。


参考文献:
– 内閣府「令和3年 子供・若者白書」https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/gian_hokoku/20210611kodomogaiyo.pdf/$File/20210611kodomogaiyo.pdf
– Deloitte “2023 Gen Z and Millennial Survey” https://www2.deloitte.com/us/en/pages/about-deloitte/articles/genzmillennialsurvey.html
– McKinsey & Company “True Gen: Generation Z and its implications for companies” https://www.mckinsey.com/
– PwC “Future of Work” Gen Z insights https://www.pwc.com/
– Investopedia Gen Z Survey 2024 https://www.investopedia.com/

インターン 市川

 🎯あとがき

 Z世代の価値観を日米で丁寧に比較し、「違いは誤解の種ではなく、共創のヒント」というメッセージに深く共感しました。世代間・文化間の相互理解を促すこうした視点は、今後ますます重要になります。Z世代の可能性を信じ、柔軟で対話的な社会づくりに向けて、一歩ずつともに進んでいきましょう!
 市川さん、レポートと弊社でのインターンありがとうございました。


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