新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、リモートワークが一気に普及しました。一方で、出社回帰の動きもあり、従業員と企業の間で“通勤時間”に対する意識の差が顕在化しています。

また、ワークライフバランスを重視する人が増え、通勤時間を「ムダな時間」と感じる傾向も強まっています。1日あたり1時間以上を移動に費やすことが、プライベートの充実や心身の健康に与える影響は小さくありません。

実際、通勤時間が長いほど生産性が下がり、幸福度も低下するという研究結果も。企業にとっても、社員の定着率や業績に直結する重要な要素となっています。

1.通勤時間比較(車・公共交通機関すべて)

都市平均通勤時間通勤者数30分以内の通勤者割合1時間以内の通勤者割合1時間超の通勤者割合
ニューヨーク(
NY)
43分3,287,402人4%84%16%
シカゴ(IL)37分1,189,204人17%91%9%
ヒューストン(TX)31分1,319,516人47%98%2%
ダラス (TX)30分635,717人52%98%2%
サンフランシスコ(CA)37分559,181人26%87%13%
ロサンゼルス(CA32分1,572,140人41%95%5%
Geotab調査  引用: https://www.geotab.com/time-to-commute/

2. 補足情報

  • ニューヨーク市:​平均通勤時間が最も長く、1時間以上の通勤者が10%に達しています。
  • サンフランシスコ:​平均通勤時間が36分で、1時間以上の通勤者が9%と高めです。
  • ヒューストン:​平均通勤時間は31分で、1時間以上の通勤者は1%と比較的少ないです。
  • ダラス:​平均通勤時間は30分で、1時間以上の通勤者は2%と少なめです。
  • ロサンゼルス:​平均通勤時間は33分で、1時間以上の通勤者は4%です。​

これらのデータは、各都市の交通インフラや都市構造、住宅事情などが通勤時間に影響を与えていることを示しています。​

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車通勤、公共交通機関別のの詳細な情報や、他の主要都市や他の都市のデータについては、Geotabの公式サイトをご覧ください。

3.考察

通勤時間が長い地域では、企業の人材確保が難航する傾向があり、従業員のストレスや疲労の蓄積が業務効率の低下にもつながります。

また、都市ごとに見られる違いはインフラ整備や住宅事情を反映しています。例えば、公共交通機関が発達している都市ほど通勤時間が長くなる傾向がありますが、それに比例して移動中の自由度が高まる(=読書や学習が可能)ケースも。

一方で、車依存の都市では交通渋滞が日常化し、無駄なエネルギー消費や環境負荷の増大という課題も浮き彫りになります。

通勤時間の長さは、単なる移動時間以上に、都市の構造や働き方、そして私たちの暮らし方そのものを映し出す鏡と言えるでしょう。

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