今回はMBAとCPA、アメリカでの就職を有利にさせる資格について、比較したいと思います。
1.MBAとは?
MBA(Master of Business Administration)は、ビジネスリーダーとして必要な高度な知識やスキルを学ぶ大学院課程の学位です。MBAプログラムでは、経営戦略、マーケティング、組織論、財務、データ分析、リーダーシップなど、多岐にわたるビジネス領域を学びます。特に、経営職や起業家を目指す人々にとって、この学位は重要なキャリアのステップとなります。多くのトップビジネススクールでは、実務経験が必要であり、実際のビジネスケースを通じて学ぶケーススタディやグループワークが特徴です。MBAは、企業内のマネジメント職やコンサルティング、投資銀行、テクノロジー業界、さらには非営利組織など、さまざまな分野でキャリアを構築するために役立つ資格です。また、世界中で評価されているため、国際的なビジネス環境でも活躍できる可能性を広げます。
<MBAを取得する方法>
MBA(経営学修士)を取得するための一般的な流れは以下の通りです:
- 学士号を取得 MBAプログラムに応募するためには、通常、学士号(大学の学位)が必要です。多くのプログラムは、経営学、経済学、工学、理学、社会学など、さまざまなバックグラウンドの学生を受け入れています。
- GMATまたはGREのスコア取得 多くのMBAプログラムでは、GMAT(Graduate Management Admission Test)やGRE(Graduate Record Examination)という入学試験のスコアを求められます。これらのテストは、学業能力や分析力を測定するものです。
- 職務経験の積み重ね 多くのMBAプログラムは、数年の実務経験を持つことを推奨または必須としています。特にフルタイムMBAでは、仕事の経験が入学条件として重要な要素となります。これは、ビジネスに関する実践的な知識を深め、クラスでの議論や課題に役立てるためです。
- MBAプログラムへの応募 自分に合ったプログラムを選び、応募書類(エッセイ、推薦状、履歴書など)を準備して応募します。選考では、学業成績、職務経験、リーダーシップの能力、志望動機が重要です。
- MBAプログラムの修了 MBAプログラムは通常2年間のフルタイムまたは1年間の加速プログラム(Executive MBAやPart-time MBA)があります。プログラム修了後、MBAの学位を取得できます。
参考:Thunderbird(日本語サイト) https://www.thunderbird-tokyo.jp/column/howtowork-in-unitedstates/
2.USCPA(米国公認会計士)とは
USCPA(United States Certified Public Accountant)は、アメリカで会計業務を行うための資格です。USCPA資格を取得するためには、まず指定の学歴(主に会計学の学位や関連する科目を履修)が必要です。その後、厳しい試験(FAR:財務会計、AUD:監査、REG:税法、BEC:経営コンサルティング)に合格し、一定の実務経験を積む必要があります。USCPAは、企業の財務諸表の監査や税務申告、企業の財務戦略立案に関わる専門職です。USCPA資格を持つ者は、監査法人、会計事務所、企業の財務部門、税理士事務所などで活躍し、米国国内外で高い評価を受ける資格です。また、USCPAは国際的に認知されており、グローバルにキャリアを展開するためにも有利な資格となります。
<CPAを取得する方法>
CPA(公認会計士)を取得するための方法は以下の通りです:
- 学歴要件の確認 日本の場合、CPAの試験を受けるためには、大学での会計学や経済学の専攻など、一定の学歴や単位数を満たす必要があります。学歴要件を確認して、必要な単位を修得することが第一歩です。
- 試験準備 日本の公認会計士試験は、3つのステップ(短答式試験、論文式試験、口述試験)を経て合格する必要があります。これに備えるためには、専門学校に通う、独学で学ぶ、または通信講座を利用する方法があります。
- 試験の受験 日本の場合、短答式試験(選択肢形式)、論文式試験(記述式)を受けることになります。論文式試験を突破した後、口述試験(面接)を経て、最終的に合格が決まります。
- 実務経験 CPAとして認定されるためには、試験合格後、実務経験(2年間程度)が求められます。この経験は、監査法人や会計事務所などで積むことが一般的です。
- 登録と認定 試験に合格し、実務経験を積んだ後、公認会計士として登録され、正式にCPAとしての資格を取得します。
参考サイト
- 資格の学校TAC(日本語)https://www.tac-school.co.jp/kouza_uscpa.html
- Becker(English)https://www.becker.com
3.MBAとUSCPA比較表
項目 | MBA | CPA |
---|---|---|
目的 | 経営・ビジネス全般の知識とスキル習得 | 会計・税務・監査の専門資格取得 |
主な分野 | 経営戦略、マーケティング、ファイナンス、人材管理 など | 会計、監査、税務、財務報告 など |
取得難易度 | 高い(大学院レベルの学習と卒業要件) | 非常に高い(試験の合格率が低く、要件も厳しい) |
必要な学歴 | 大卒(学士号)以上が一般的 | 会計学関連の単位を含む学士号が必要 |
試験・単位要件 | なし(プログラム修了が必要) | 各州ごとに異なるが、通常は150単位以上の会計・ビジネス関連学習が必要 |
試験の合格率 | 学校・プログラムによる(卒業要件を満たせばOK) | 約45~50%(科目ごとに異なる) |
コスト(目安) | $50,000~$200,000(トップスクールは高額) | $3,000~$10,000(試験、教材、ライセンス費用含む) |
取得までの期間 | 1~2年(フルタイム)、3~5年(パートタイム) | 1~3年(試験合格+実務経験要件) |
仕事への活用度 | 経営、コンサル、金融、マーケティング、起業など幅広い | 会計士、財務、税務、監査、CFO など専門的な分野 |
資格の維持 | なし(MBA学位は永久) | CPE(継続教育)が必要(通常年40時間程度) |
👉 資格に合ったお仕事を探したい方はこちら

👉 新規登録はこちら
