日系企業で最近就職が決まった本橋裕子さんの就職体験談です。日本と米国で就職活動の経験がある、本橋さんの体験談とは?
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1.お仕事内容をお聞かせください。
カリフォルニア州アーバインにある日系企業にて、クレジットカード部門の電話応対によるカスタマーサービスをしています。アメリカ在住の日本人の方を中心に、カード発行手続きからカードに関する様々な問合わせを現地の銀行に連絡をとり対処します。時にはお客様と銀行の間に入り、通訳的な立場にもなります。個人情報を扱う場であり、受けた電話の内容を記録しなければならないので、常に慎重に作業しなければいけません。
2.バックグラウンドを教えていただけますか?
日本の大学の英文科を卒業後、流通業にて5年間カスタマーサービスを経験しました。アメリカでビジネスを学びたいと常に思っていた為、渡米を決心し、ロサンゼルスの語学学校を経てU.C.L.A. Extension で General Business を専攻し、International Business を中心に、MarketingやAdvertising も学び Certificate を取得しました。
3.転職活動はどのようにされましたか?現在の就職先を選んだ理由は?
日系の情報誌や友人の紹介で人材派遣会社6社に登録をし、初めは派遣社員として日系の銀行で働きながら、正社員のポジションを探していました。数社面接を受けましたが、私の場合、H1-bビザだと6月下旬に OPT が始まったので働けなくなる期間ができてしまう事 (注1)、日本の大学が英文科卒業である事(注2)から、H1-bビザサポートのある企業の紹介はほぼ絶望的でした。
ちょうど、焦りを感じ始めてきたところ、Actus の松浦さんに連絡を頂き、現在の会社を紹介して頂きました。日本ではカスタマーサービスでのマネージャーの経験があった事から、労働ビザを考慮して頂けるという内容でした。事前に会社情報や仕事内容の詳細、面接の心得などアドバイスを頂いていた為、あまり緊張せずに面接に望む事ができました。経験を生かせ、また女性の活躍が多い職場であり、会社の雰囲気もとても良かったので、採用の結果を頂いた時はとても嬉しかったです。
4.米国と日本の就職活動の違いはありましたか?
日本では、新卒で就職活動をしました。インターネットでの企業登録もありましたが、直接数十社の企業に丁寧に書いた手書きでの葉書で資料請求をするのが主流でした。何十社送っても結局半分も返事を頂けない状況でした。プロセスとしては、説明会、集団面接、筆記試験、そして個人面接が多かったです。とにかく多くの学生がいたので、毎回時間を要し、一日がかりでした。
一方、アメリカでは、派遣会社に登録させて頂いたので、登録時の面接、筆記&コンピューター試験に加え、レジュメの添削、面接のセッティング&心得、企業の詳細、面接後のフォローアップと、日本で全て自分でやっていた事をサポートしてくれていたので、就職活動をするにあたってとても心強かったです。だた、ビザサポートの問題があったので、なかなか紹介されなかったらというリスクはありました。
5.就職活動をされている皆さんへのアドバイスは?
アメリカで何をしたいのか、どんな仕事をしたいのかを明確に自己分析する事が先決だと思います。自分のやりたい事、素直な気持ちが表現できれば気持ちは伝わるはずです。自分の人生を決める大切な時期だと思いますので、納得がいくまで諦めずに頑張って下さい。
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日本の就職活動と違い、米国内での留学生の就職活動は就労ビザ、という壁が立ちはだかりますが、本橋さんのように、ご自身の強みを理解した上で柔軟に対応し、希望通り就職をされている方もたくさんいらっしゃいます。就職活動はいかに自分をマーケティングするかで、“したい”ことを追求することも大切ですが、“できること”を把握した上で、いかに自分を売っていくか、だと思います。また自身がオープンであることも大切です。思いがけずに何かが出てくることもありますので、フレキシブルであることが最大の武器になるのではないでしょうか。
注1)
H1-bビザの発行は毎年10月からで、申請は半年前の4月1日より始まります。OPTがH1bが発行される10月前に切れてしまうと、実質ブランクが発生し働けない期間ができてしまい、就職活動時には不利になります。
注2)
H1-bビザは専門職ビザですので、4年制大学で勉強した内容が、職務内容と直結している必要があります。
質問者: 松浦(LAオフィス)