「せっかくアメリカに留学したのだから、アメリカで就職をしたい!」とお考えの留学生のみなさんは多いと思います。
でも、アメリカで仕事をしていく上で必要なビザ、一般的にはH-1Bビザの発行が制限され、その取得は抽選であること、さらには、ビザの取得をサポートしてくれる企業を見つけること自体も、決して簡単ではありません。
そんな状況の中、留学生の皆さんは「卒業後は、日本に帰国して就職する。」という選択肢もお持ちなので、アメリカで仕事ができるチャンスであるOPTの期間をどのように使い将来につなげるか、頭を悩ませるところではないでしょうか?
今回はNYにある政府系NPO団体でご就業されている、須川奈月さんのご紹介です。須川さんは、長期派遣というお仕事形態を選び、OPT期間はアメリカでお仕事経験を積み、終了後は日本への帰国を予定されています。
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質問 その1)現在のお仕事内容を教えてください。
リサーチ部でのアドミニ作業
質問 その2)現在の勤務先を選んだ理由は?
もともと国際的な立場から日本と米国の関係を調査、支援するような機関に強い興味があり、Not-for-Profitの機関での経験を希望していました。そのような機関でのお仕事を探していた矢先、コンサルタントの大矢さんから現在の勤務先の方をご紹介頂き、幸運にも自分が希望としていた分野の機関に勤務することができました。仕事内容もアドミニアシスタントということで、オフィス業務の基礎から学べると思いました。また、環境もゆっくりしていてお仕事がしやすいと大矢さんの方からお聞きしていましたので、初めて社会人として自分自身を成長させるにはここが最適ではないのかと思い現在の勤務先に落着いた次第です。
質問 その3)須川さんのご経歴を教えてください。
地元の高校を卒業後、留学準備の為1年間、東京にある専門学校に通いました。その後、専門学校の提携大学のひとつに移籍入学。3年間をウエストバージニアの大自然の中で過ごしました。アメリカに留学した理由は具体的にこれが学びたいなどその様な大そうなものではなく、ただ、精神的に自立した視野の広い人間になるための自分自身への挑戦のような漠然としたものでした。大学時代熱心に励んだものは、ありきたりですが、勉学と異文化交流です。大学では専門的にひとつの科目を極めるのではなく、学校の特色である総合的な教育のもと、主にビジネスを全般的に学びました。意欲的に勉学に励んだ結果、優秀者クラブの一員として認められ、卒業時にはCumLaudeという称号を頂きました。大学で学んだことは現在の仕事に結びつく部分が多々あり、まだ社会人新米ながら、学ぶことの大切さを日々身にしみて感じます。
質問 その4)就職活動はどのように行いましたか?
就職活動は主に就職斡旋機関や人材派遣会社を中心として進めました。就職活動で意外にも苦労したことは自分を知ることでした。己を知ることは就職活動をするにあたりとても重要なことです。自己分析をするにつれ、自分という人間は思っている以上に未知だということに気づかされました。また、留学生という立場で苦労した点は、雇用形態の決定でした。就職するにあたり、留学生には3つの選択肢があたえられます。日本に帰国し就職、OPT期間を利用してのアメリカ現地採用、就労ビザを見据えてのアメリカ現地採用。米系企業に就職するとなると学位とビザの関係でUnqualifiedとなることがあり、雇ってくれるところはまれです。就労ビザの取得は年々厳しくなり、金銭的に自己負担も多いので就労が許されるOPTで1年間のみの就労を決断しました。この決定で私たち留学生の就職は大きく左右されるので私にとってはとても大きな決断でした。
質問 その5)今後の目標を教えてください。
OPT期間が終了し次第、帰国します。今後は、ある資格を取得するために勉強します。
質問 その6)就職活動をされている皆さんへのアドバイスをお願いします。
私のようなものがアドバイスできる立場にあるのか・・・大変恐縮です。ただひとつ強く思うのが、一つの分野/業界、一つの職種に固執して就職活動を行うのではなく、視野を広げてみるのも悪くないと思います。あまり狭め過ぎると自分自身の可能性まで狭まってしまう気がします。自分が本当に向いている職種、合っている社風など始めてみなければ誰にも分からないことです。自分がやりたいこと、それはひとつの目安として就職活動はフレキシブルに行ってみてはどうでしょうか。これは私自身が指摘されたことでもあり、それにより現在に至ります。平凡でありきたりなアドバイスですが就職活動を始めて煮詰まってしまったときにもう一度思い出すと良いかもしれません。職種や業界、もちろん自分自身にリミットを設けるのはやめて、芯を持ったうえで様々なことに目を向けるのも良いと私は信じております。そこから新しい発見があり、可能性が広がるかもしれません。
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OPTであれば職務経験の有無にとらわれずお仕事を選択できる点。アメリカでのお仕事の経験を積んだ後は、履歴書にアメリカでの職務経験として書く事ができる点。それらを生かした長期派遣という選択が、OPTを取得された学生の皆さんにもあります。
須川さんのように、今後のステップとして上手にご利用できたらいいですね!
質問者:高久保(NYオフィス)