2023-03-31
ウォール街で金融機関が2022年に従業員に支払ったボーナス(賞与)は21年に比べて26%減りました。減少率は08年の金融危機以来の大きさとなり、企業の資金調達やM&A(合併・買収)が低迷し、手数料収入が大幅に落ち込むなか、金融機関は人員や賞与の削減でコストを圧縮しています。
米ニューヨーク州の会計監査官が30日、賞与の調査報告書を発表。ニューヨーク市で証券業を手掛ける金融機関の従業員の平均支給額は22年に17万6700ドル(約2300万円)と19年以来の低水準になりました。過去最高を記録した21年から一転して26%減り、リーマン危機の08年(43%減)以来の落ち込みです。
報告書によると、ニューヨーク市における同業界の従業員数は22年に前年比5.8%増の19万800人と過去20年あまりで最も多く、新型コロナウイルス禍で企業の資金調達支援などの投資銀行業務が増えるなか、各社が積極的に人材を採用した結果を反映しました。一方、コロナ禍の反動で同業務は冷え込んでおり、ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどは人員削減に動いています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN30CT60Q3A330C2000000/