2010-01-01
下記は人事規程関連書類のアップデートの際に役立つコンプライアンスチェックリストである。
1. 職場(労働法)ポスターのレビュー: 全ての雇用主には社内のランチルームや休憩室のような従業員が集い共有するエリアに州や連邦の(労働法)ポスターを掲示することが義務付けられている。調査官がコンプライアンスの確認目的で監査に訪れた際にポスターが未掲示であったり古いままのポスターが貼られていたとしても罰金を科すことは稀であるが、新規定の施行や現規定の変更が毎年あり得るので注意が必要である。因みに昨年は遺伝情報差別における新規定を含め一つ以上のアップデートがあった。但し一般的にはこれら変更やアップデートに伴い、その度に毎年または毎回新しいポスターを購入しなければならないと言うわけではない。ポスター販売業者は多々存在するが、一年以内に新しいポスターを数度もそれら業者から購入するとなると高くついてしまう。故に最低でもインターネット上で調査し、新しいポスター情報を印刷し古い情報の隣に掲載しておけばコンプライアンスを満たすことになり、おそらく数年毎に一度新しいポスターを購入すればよい事になる。
2. 就業規則のレビュー: 年初めは雇用規程をアップデートし見直すのに最適な時期である。雇用規程・ベネフィットおよび社内規程やそれら手順に変更や新しいものがある場合、就業規則の内容は一年のうちに時代遅れになってしまう可能性がある。最適なアップデートの仕方は項目毎に人事専門家と共に就業規則をレビューし調整を行う事、これが全ての規程や手順をレビューし、十分に理解する最も包括的な方法のひとつである。更に、一旦アップデートが完了したならば、変更項目への全従業員の理解を確保し、また新しい就業規則に対する署名入りの最新の受領書を入手するためにも、マネジャーおよび従業員に対してアップデートミーティングを実施するべきである。
3. 人事ファイルのレビューおよびアップデート: 企業人事部において最も重要な資産は従業員の人事ファイルである。これらの記録なしでは、社内調査・訴訟・政府機関の調査へと発展し得る従業員からのコンプレインに対して雇用主が自身を弁護することは不可能となり、それが為に人事ファイルの保管および維持は必須事項である。現従業員のファイルを作成する際には、身上調査・ドラッグテストのデータ・クレジットチェック情報およびベネフィット情報など特定の情報は人事部以外のマネジメントの目に触れないよう一般人事ファイルとは別の秘密ファイルに保管すべきである。尚、人事ファイルをまとめるのには多くの方法があるが、重要な点は全てのファイルの統一性を保ち構成手順を確立しておく事である。
4. 移民局関連書類のレビューおよびアップデート: オバマ政権が始まって以後、最も顕著な流れのひとつに様々な政府機関の強化が挙げられる。政府機関とは雇用機会均等委員会および移民局を含む国土防衛省が含まれ、企業が政府調査員により訪問され移民関連書類をレビューされる機会が劇的に増えている。つまり雇用主はI-9関連書類を保管し最新の状態にしておく必要があり、これにはI-9関連書類用の記録表の保管、移民局が発行する最新のI-9フォームの使用、および有効期限切れの書類をアップデートしておく事が含まれる。
5. 従業員情報および書類のアップデート: 人事ファイルのレビューを実施する一方で、雇用主はまた特定の従業員情報の収集およびアップデートを確実にしておく必要がある。つまり自宅住所・電話番号・緊急連絡先の情報をアップデートし、加えて従業員に貸し出す会社所有物に関する情報の保持とアップデートをも含むべきである。即ち、ラップトップコンピュータ・携帯電話・データカード・鍵など従業員に渡される会社の所有物を詳しく記すには「所有物返却フォーム」が良い例として挙げられるが、将来起こり得る問題を回避するためにも従業員には受領書に代わるその類のフォームに署名させておくべきである。更に、年初は守秘義務および所有情報の規程を提供し従業員に改めて署名してもらう良い機会でもあり、署名入りの全ての書類は一般人事ファイルか或いは秘密ファイルのいずれかの従業員記録ファイルに必ずや保管されるべきである。