2015-05-20
2016年の大統領選挙が近づくにつれ、政治家の間でも移民問題は重要な話題として取り沙汰されていますが、その多くは、不法入国、又は不法滞在している外国人に焦点が絞られています。そんな中で、今回は話題に上がる事が少ない、多国籍企業において米国で働く幹部や管理職の為のグリーンカードオプションを取り上げます。このカテゴリーは、全ての条件が満たされている場合、特定の幹部や管理職である方々にとってグリーンカードを取得するための迅速な手段となります。
雇用ベースのグリーンカードの多くの場合、3つのステップがあります:
(1)雇用を認定する米国労働省からの承認通知
(2)受益者の代理となる雇用者による申請
(3)受益者による“Adjustment of Status”の為の申請書(グリーンカードアプリケーション)。
多国籍企業の幹部又は管理職である場合、この第1番目の雇用ベースのカテゴリーの下で提示されている米国労働省による承認通知は必要ない為、ステップ2とステップ3に提示されている書類を同時に移民局に提出することができるので、大幅に移民局での処理時間を短縮させる事が可能です。
多国籍企業の幹部、又は管理職に対する主な要件には下記事項が挙げられます:
1.受益者は、過去3年間の内、又は現在取得されている非移民ステータスにおけるビザにて米入国される以前に、少なくとも1年間は米国外にある外国企業(親会社又は関連会社)にて従事している必要がある。
2.上記に提示されている海外における最低1年間従事していた役職が幹部、又は管理職である事。
3.受益者は、米国赴任する際、幹部又は管理職として配属される事。
4.米国外にある外国企業(親会社)と米国企業の両社が関連会社である事。
5.米国外にある外国企業(親会社)と米国企業の両社が積極的にビジネスを行っている事。
6.受益者は、上記1番目と2番目に提示されている以前外国にて従事していた役職と米国における現在の役職の双方に適格である事。
一見単純な要件に見えますが、これらの要件を満たすことは必ずしも容易ではありません。様々な企業の関係、ユニークな企業所有権の配置、変化する経営構造や職務等によって生じる異なった挑戦的な案件が法律や規制の境界を試す事になるからです。
幹部や管理職のカテゴリーの下で申請した場合、移民局が何を考慮するのかを理解する事が重要です。
「経営能力」は、下記のとおり定義されます:
(1)組織、または部門、支部、機能、または組織の構成要素を管理する。
(2)他の上司、専門職員、または管理職社員における仕事を監視、制御し、又組織内の必須機能、または組織部門、支部を管理する。
(3)雇用、解雇における決定権を持っているか、或いは別の社員またはその他何人かの社員を直接監督している場合、それらだけでなく、他の人事決定を推奨する権限を有している。他の社員が直接監修されていない場合、組織階層内または管理機能に関して、上級レベルの機能を有する。
(4)日々の作業運営において、又特権を有する社員の任務活性化を図る裁量を持ち合わせる。第一線における管理者は、監督している社員が専門職でない限り、管理者による監督義務の効能として、単に管理能力に匹敵されると考えられない。
組織内における「幹部能力」の割当:
(1)企業組織内における管理や主要構成要素、又は組織機能に関して指示する。
(2)企業組織、組織構成要素、又は組織機能の目標と方針を確立する。
(3)広範囲における裁量的意思決定ができる。
(4)より高いレベルの幹部、取締役会、或いは企業組織の株主からのみ大まかな監督、指示を受ける。
企業の関係及び受益者の現在と過去における雇用経験に関して詳しく検討することが重要です。 移民局は、規制上の解釈に基づいて、雇用主と受益者の両方に追加要件を要求する事もあります。多国籍企業の幹部、又は管理職のカテゴリーの下で包括的かつ完全な申請書類を提出する事が、グリーンカードを取得する為の迅速な手段になります。