2014-02-01
A. H-1Bビザシーズン:時間枠
再びH-1Bビザシーズン到来です。高い需要とH-1Bビザの数が限られている為、新しい H-1Bビザ申請書を提出する期間は、国家的光景となっております。確かに、FedExとUPSのトラックが、12万以上もの H-1Bビザ申請書をバーモントサービスセンター、或いはカリフォルニアサービスセンターへ運搬する写真や記事を見かけます。又、米国雇用者の要求を満たす為に必要な H-1Bビザの数が十分ではないと言う報告や、抽選システムは21世紀の企業には野蛮的であり、適していないと言う報告も雇用者側から受けます。4月1日までに H-1Bビザ申請書を提出できるように、企業の方で準備開始して頂けると、移民改革における断片的なアプローチが見受けられ、H-1Bビザキャップ(ビザ発給枠)が、4月初週以内に達成されると期待できます。
昨年の H-1Bビザシーズンでは、一般的カテゴリーでの6万5千ビザ枠と、高度な学位免除限度のカテゴリー(修士号、又は修士号以上の学歴を有する方)での2万ビザ枠のところ、約12万4千の申請書が移民局に提出されました。2014年度の H-1Bビザキャップシーズンは、2013年4月1日から開始され、4月5日までに、ビザ発給枠は達成されました。各候補は、大体69%のチャンスでビザ枠に入りました。楽観的なビザ枠から外れてしまったケースの中で、OPT(Occupational Practical Training: 職業実習)を延長できなかった大卒者の為の現実的な償還請求はありませんでした。
H-1Bビザ2015年度キャップシーズンに、我々は何を期待すべきか。
残念ながら、更なるビザ申請数と枠内に選ばれそうな候補者達が去っていくのを目の当たりにします。これは、本当に言葉のあらゆる意味での抽選となっています。より多く申し込めば、枠内に入れる確率は高くなりますが、この様な方法は、米雇用システムに適しておらず、特に最近の大学卒業生達は、このような扱いをされるべきではありません。H-1Bビザ2014年度キャップシーズンの際に枠から外れてしまった4万近い応募者と、米国経済の改善状況を併せ考慮すると、2015年度の応募数は更に増えると思われます。これは、候補者が選ばれる確率の減少につながります。選ばれる確率は50%になるのでしょうか?米雇用者の方々は、確率を上げる為に、更に申請書を提出するか、雇用のニーズにあう他の方を見つける必要があります。
幾つかの移民改革が、H-1Bビザスポンサーに利益をもたらす可能性はあります。H-1Bビザ数の増加は、大きな利となります。H-1Bビザ数の増加は、4年間学校で学んだ生徒達が、米経済に彼らの教育を役立てる事を可能にし、又、雇用者が必要な従業員数を雇うことができ、年間を通じ必要に応じて彼らを雇うことが可能になります。更に、大学卒業後の雇用機会があれば、その大学は、より多くの外人学生を誘致する事ができます。最後に、米国経済は更なる経済成長を刺激する為、最善の精神と才能を保持する事が可能となります。利用可能なH-1Bビザ数を増加する事は、欠陥のある移民システムのほんの一小片に過ぎず、殆どその必要性は表立てにされません。
2014年4月1日の前に、議会は何らかの移民改革の任意を申し渡す可能性は低いので、今年雇用者は、ビザ発給枠外の応募者が枠内に入れる確率を増加させる為、何らかの方法を使用する様余儀なくされるでしょう。
B. H-1Bビザ2015年度キャップシーズンを円滑に進行させる方法
雇用者は、4月1日にビザ申請書を提出する準備の為に面接をし、完璧な候補者を探さなければいけない為、2月と3月は多忙です。しかし、H-1Bビザ候補者が選択されたら、H-1Bビザ2015年度キャップシーズンを円滑に進行させる為、幾つかの点に関して確認しなければいけません。
移民局では、現在、H-1Bビザ申請が外国の程度に基づいている場合は、評価を伴う様厳密に要求しています。外国人の外国の程度を確定し、その教育が、米国学士号と同等である事を示す為に評価します。学歴、経験、又は学歴と経験を組み合わせた、幾つかの種類の評価があります。
移民局に提出する為に、評価の文書が収集され遵守されていれば、直ちに評価を取得する事は、時間節約とストレス減少につながります。必然的に、4月1日の2~3週間前になると、評価作成会社は、依頼で殺到します。評価文書取得を3月末まで待つ事は、必要な評価文書無しでH-1Bビザ申請書を送る事になり、移民局からRFE (Response For Evidence: 証拠要求)が送られてくる事になります。これは、不必要に全体の処理時間を遅らせることになります。評価作成会社には、割増料金にて緊急処理の手続きも行っておりますが、早期に手頃な価格と入手が効率的です。
もし、F-1ビザ保持者の学生の為に、H-1Bビザ申請の代理人となり提出された場合、F-1ビザ保持者の学生にとって利益となります。F-1ビザ学生達は学位修得後、職業実習(OPT: Occupational Practical Training)を適用し要求する事ができます。OPTとは、学生達の受けた教育に関連した分野、若しくは役職での経験を得る為の大学卒業生達にとっての手段です。OPTは、最初に12ヶ月の期間で付与されます。科学(science)、技術(technology)、工学(engineering)、数学(mathematics)(“STEM”)を専攻した学生達は、追加で17ヶ月間請ける事ができます。OPTのプログラムに入っている学生達で、現在の年度の10月1日前にOPTの期限が切れる学生達には、H-1Bビザ枠のずれができます。このH-1Bビザ枠のずれがある為、F-1ビザステータス有効期限日からH-1Bビザステータスが始まるまでの期間、勤務し続けることが可能となります。H-1Bビザキャップギャップルールを理解する事は、雇用者側も適切な面接や雇用決定を行える事に繋がります。
次に、雇用者がすべき事は、労働条件申込書(Labor Condition Application: LCA)を2月か3月中に取得する事です。米労働省(DOL)から認定された労働条件申込書を取得する事は、H-1Bビザ申請の要件の一つです。LCAは、雇用者がH-1Bビザ候補者に特典賃金(prevailing wage)と呼ばれる最低賃金を支払う事に同意する事を示す為に使用されます。現在、認定されたLCAを発行されるまでに掛かる期間は、5日から7日間です(平日のみ)。毎年、3月の最終2週間中には、提出者の数が多くなる為、米労働省のサーバーが断絶します。H-1Bビザキャップシーズン中に、労働省のサーバーが遅かったり、使用不可能になる事は珍しい事ではありません。移民局では、認定された労働条件申込書が提示されていないH-1Bビザ申請書は受け付けませんので、早期に認定済み労働条件申込書を取得する事は不可欠です。
早めに弁護士にH-1Bビザケースの依頼をして下さい。早期の依頼は、弁護士に十分な準備期間を与えるだけでなく、十分な確認期間を与えることになります。短期期間で提出したケースは、限られた時間で準備し提出することになり、十分に確認されないまま申請書が送られることになります。加えて、必要書類のコピー等、全必要書類と情報を弁護士に渡す事は、正確なH-1Bビザ申請書を作成するにあたり重要となります。
C. 処理時間及び計画
移民局はH-1Bビザケースの処理に更なる時間をかけます。これは、移民局が各ケースに更なる検査を行っている為か、若しくは、多くの申請書を処理する為に人手不足になっている恐れがあります。通常、H-1Bビザキャップケースに掛かる期間は、約3、4ヶ月間です。たとえ、各移民局サービスセンターがH-1Bビザ処理期間を掲示しても、規定の期間で完了する事は殆どありません。もし、処理が掲示された期間よりも長く掛かっている場合、雇用者、又はそのケースの代表者は、遅延の理由を伺う為のサービス要求について、配置されている移民局カストマーサービスに連絡する事ができます。しかし、残念ながら、雇用者の要求に応じて移民局から送られてきた手紙は、実際のステータスの状況についての説明がされていなかったり、いつ判決が終了するかについて示されていない場合が多いです。が、幾つかのケースでは、山積みになっているH-1Bビザキャップケースの処理を早く完了させる様にと、移民局の上司が審査員をせかし、予期していたよりも早く完了するケースもあります。
プレミアム処理(割増料金にての処理)は、特定種類の申請書と申込書を、迅速な処理にて可能にする為のサービスです。このサービスの出願手数料は、$1,225で、提出する際に支払うか、移民局の方で、ケースを保留している間に支払う事も可能です。プレミアム処理を使用した為に、H-1Bビザキャップケースが選ばれる機会が増加すると言う事はありません。しかし、プレミアム処理の利点は3点あります。第一に、処理完了に掛かる期間が15日なので、雇用者とH-1Bビザ候補者に確実性をもたらします。次に、雇用者、又はその代表者が、サービスセンターに連絡し、確実な答えを取得できることを可能にします。これは、分かりきっている事が記載された移民局からの手紙を受取るより、遥かに優れています。最後に、プレミアム処理を使用すると、雇用者、又はその代表者が、処理に問題があった場合や、判決に疑問がある場合、直接審査員に電話か、Eメールにて連絡する事が可能となります。
RFE (Response For Evidence: 証拠要求)が、送られてきた場合に掛かる手続きの期間は、異なります。ここでも、プレミアム処理を使用する場合、手続きに掛かる期間は通常時よりも早くなります。RFEプレミアム処理でのケースは、15日以内に判決を完了させなければいけないからです。これは、雇用者と、H-1Bビザ候補者、両者にとって、確実性があり明確です。通常処理の場合、RFEが発行されてから、判決完了まで、1ヶ月から3ヶ月は掛かります。証拠要求に対し、全ての裏づけとなる必要書類と共に、素早く応対する事がとても重要となります。
もし、雇用者とH-1Bビザ候補者の両者が、証拠要求される事を予期している場合、前もって証拠要求に応対できる様に、裏づけとなる必要書類を収集しておく必要があります。長い処理時間の影響を避ける為、H-1Bビザ申請が承認されるよう、全必要書類と全情報を収集されたか、必ず確認して下さい。
適切な計画と弁護士とのまめなやり取りが、H-1Bビザ2015年度キャップシーズンを円滑に進める為に重要となります。計画、準備、確認、そして提出する事が、今年のH-1Bビザをもたらす鍵となるのです。