2008-12-29
先日、平和をテーマとしたカンファレンスに参加してきました。
「あなたにとって、平和とは何ですか?」
それが、カンファレンスの最初で投げかけられた
1つ目の質問でした。
出てきた回答は様々・・。
でも、やはり一番最初に出てきた回答は
「戦争がないこと」でした。
私の頭に浮かんだ答えも、同じでした。
その日のスピーカーは、先日までアフガニスタンにいた方で、
「爆弾テロなんて日常茶飯事。寝ていると、
毎晩のようにどこかしらで爆弾の音が聞こえるんです。」
と苦笑しながら話をしてくれました。
「ある夜なんて、一晩に4回も爆弾の音がしたんです。
しかも、その音がだんだん近づいてくる・・。
特に4回目の爆発音がした時には、部屋の窓ガラスが、
カタカタカタカタって揺れてね。
その音の後には、さすがに爆弾テロに慣れている私も、
ベッドから起き上がって、下にいるセキュリティーの
おじさんに「ねえ、大丈夫?逃げた方がいいかしら?」
って聞きに行きましたよ。」
日本生まれ、日本育ちの私は、そんな話を聞きながら、
一生懸命その状況を想像してみようとするのですが、
それには限界がありました。
「毎日、街でどのような事件があったとか、
何人が殺されただとか、そういった情報が入ってくるんです。
それを聞いて、そろそろその場所を離れるべきだとか、
国外へ出たほうがいいとか、そういう見極めを
しなくてはなりませんでした。だから、私は普段から
荷物はなるべく小さくまとめて、いつでも瞬時にその場を
離れることが出来るように準備をしていました。」
そんな「平和」とはほど遠い環境にいたスピーカーは、
飛行機の中、このカンファレンスで平和について
一体何を話すことが出来るだろうと悩んだそうです。
正直、平和についてなど何も語れないと思うほどに
精神的に疲れ果て、病んでいたとも話していました。
そんなスピーカーが最後に残した言葉が、とても印象的でした。
「みなさん、勘違いをしないで下さい。
平和とは、問題が全くないことではありません。」
戦争が全くなくなったら、本当に平和が訪れるのでしょうか?
このブログを読んでいる人の中に、
戦争中の国にいる人は少ないと思います。
寝られないほどの身の危険を感じている人も少ないはずです。
では、あなたの毎日の生活は平和ですか?
職場での問題、家庭の問題、友人との問題、
もしくは自分自身で抱えている悩み。
全く問題のない生活をしている人は、
一体どれくらいいるでしょう?
スピーカーはその夜、涙ながらにこう締めくくりました。
「覚えておいて下さい。
大切なのは、どんな問題に巻き込まれていようと、
どんな辛い状況に置かれていようと、
自分の心に平安があるかどうかです。
心が平和な人は、周りにもその平和を与える強さがあります。
外で何が起きていようと、自分の心が平和だと言えるのであれば、
それが本当の平和であり、また平和の種を撒くことができると
私は信じています。」
(武井)