アメリカに来てから習慣になったことのひとつに、コーヒーがあります。毎朝必ず飲まないと朝が始まりません。朝起きてシャワーを浴びる前、目ボケ眼でコーヒーのためにお湯を沸かし、シャワーを浴び終わってコーヒーを淹れたときに立ち上るあの香りで、シャキンとなります。特にこだわりなどはないのですが、コーヒーマシンではなく、プレス式のものを使っています。一杯くらいの少量から作れること、フィルターに味が吸い取られない感じ、そして何よりもフィルターがいらないので、「フィルター切らしてコーヒー作れない!」という悲劇が起こらないところが気に入っています。
不景気で、アメリカのコーヒー市場もその煽りを受けているようですが、その中で年20%のペースで「スペシャルティコーヒー」は成長していそうです。マンハッタン内のスターバックス密集度は目を見張るものがありますが、確かに最近チェーン店でないコーヒー店や、こだわったコーヒーについて耳にすることが多くなっています。コーヒーと言えば、アメリカ国内ではシアトルやサンフランシスコ、ポートランドのイメージが強いですが、最近になってNYでもコーヒーへのこだわりが波及し始めたようです。NY Timesによると、ここ数年間で、NYに40以上もの新しいコーヒーショップができているそうです。いずれも特徴が、チェーンではない、コーヒーを「芸術」としてこだわって作っているとのこと。 Ace Hotelに入っているStumptown Coffee、そしてつい最近マンハッタンにもやってきたBlue Bottle Coffeeなどというお店は、コーヒー好きの方なら良く耳にするのではないでしょうか?
サンフランシスコからやってきたBlue Bottle Coffeeは、元々クラリネット奏者だったアーティストが、自分の情熱であるコーヒーをビジネスにしようと立ち上げられたコーヒーブランドです。お店のポリシーは、焙煎してから48時間以内のコーヒー豆しか使わないこと。お店でコーヒーを注文すると、焙煎したばかりのコーヒー豆を一杯ずつドリップ方式で淹れてくれます。私が行ったときはすいていたのですが、何せ一杯入れるのに時間がかかるので、ラッシュアワーは大変なことになりそうです。新しいマンハッタン内のロケーションは、ミートパッキングのミルクスタジオのすぐ横、チェルシーマーケットの向かい、徒歩30秒以内にスタバありというチャレンジャーなロケーション。この立地で、コーヒーのみでビジネスが成り立つなんて、コーヒビジネス恐るべしです。(と、コーヒードリンカーの自分が言うのもなんですが。)日本に比べて、アメリカのコーヒーは薄くてまずいと思っている方にはお薦めのコーヒーです。
$18 ビリオンと言われている米国コーヒー市場ですが、コーヒーを飲まない人にとって、こういう熱いコーヒーの話はちょっとカルトチックに映るのでしょうか?
(武田)