明日3月3日は桃の節句、お雛祭りの日ですね。
私はゴージャスなお雛様段飾りセットを持っていました。
お雛様とお内裏様のお人形はもちろんのこと、
三人官女、五人囃子、それから偉そうなおじいさんや酔っぱらいみたいなおじさんを含む
なんでしょうあの人たちは、という5人のお人形の15人完全セット、それに、牛車やタンスなどのお道具、桃とみかんの木、屏風とぜーんぶあったんです。
そう裕福な家に育ったわけではありませんが、
今思えば、ずいぶん頑張ってそろえてくれたものです。
これだけのセットですから、段を組み立ててお人形を飾るのにも結構な時間と労力がかかります。
お雛様を飾った部屋は飾っている間は他に何もできないほどの大きさでクリスマスツリーみたいなものですね。ちょっと邪魔です。
お人形が美しかったのと、そのリンとした雰囲気がとても大好きで、
毎年とても楽しみにしていました。
特に夜静かになってから、雛段を見つめていると、
なんだか、人形が動きだして、音楽が鳴りだして、
にぎやかなお祭りが始まるような気がしました。
本を読むのが大好きだった私は
思うに、妄想にふける、危ない子供だったのでしょう。。。
お雛祭りの由来を調べてみたところ、
ひな祭りは古代中国から日本に伝わってきた行事だそうです。
古代中国では3月3日に手で手足を洗って体を清めることで
災いから逃れることを願うという風習があって、
それが平安時代に日本に伝わった後、人形に災いを託して川に流す「流し雛」が始まり、
その後、貴族の子女の間で人形遊びが広まったことから、
それに乗じて人形を飾って子供の幸せを願うという雛人形のスタイルになったそうです。
最初は女の子の節句ではなかったそうですが、
ゴージャスな人形遊びは女の子のもの、ということで女の子のお祭りになり、
追い出された男の子の方は、
5月5日の端午の節句、菖蒲の節句とも言われるそうですが、
菖蒲―しょうぶ―勝負と言葉をかけて男の子のお祭りになったとか。
飾ったお雛様は3月3日のお雛祭りが終わったらすぐに片づけなければ
婚期が遅れる、とかいう言い伝えがありますが
これは、一日限定で川に流していた流し雛の名残、と言われているそうで。
流れちゃったら婚期も何もないように思いますが。。。
で、私がお嫁にいけず、モトイモトイ、いかずにいるのは多分、
こんなゴージャスなお雛飾り完全セットを持っていたばかりに
3日にすぐに片づけられなかったことがきっと何度もあったためだと
親のせいにしておこう~。
日本にはこういうしきたり事が色々あるものですが、
その源流は結構、無病息災を願うところにあったりして、
つまり、元気に長生きして人生を楽しむ、ということが結局は
古来、人が願ってきたことなのではないでしょうか。
でも、それをこんな風に素敵なお祭りにできる日本の文化を改めて美しいと思いました。
さて、私のゴージャスなお雛様飾り完全セットはどうなったか、というと、
私がお嫁にいかず(いけず、ではありません。いかず、です。力説。)、
私に娘がいないので、
私がアメリカに来た後も、実家の押し入れに大切にしまわれていましたが、
これだけのセットなので、箱がいくつもあって母は邪魔で仕方なかったらしく、
思い切りのよい母は、潔く私のお嫁入りもすっきりあきらめ、
お人形もお道具も捨てちゃったそうです。(何年も前のことです。当時の私はまだあきらめられなくてもいいような年齢でした。)
さすがにお雛様とお内裏様は捨てずにとってある、と誇らしげな報告がありました。
お人形って捨てていいの?神社で処分してもらうものじゃないの?
とか思いますが、そういうこだわりのない母でして。
そういう親に育てられた私がちょっとヘンなのは仕方がないことです。
いずれにしても、ごみにならずに救われたお雛様とお内裏様は
京雛の本当に美しい顔のお人形だったので、
今度日本に行った時にもって帰ってこようと思っていますが、
なかなか日本に行くことができない私は、その計画を実現できずにいます。
今の我が家には、ちっちゃなちっちゃなお雛様とお内裏様があり、
1年中飾られております。
明日は桜餅、買って帰ろうかしら~。
ところで、桜餅、道明寺バージョン(お米つぶつぶ)と長命寺バージョン(クレープっぽい)とどちらがお好きですか?
私は道明寺バージョン派です。
***なんとタイミングよく、母が今年はお雛様を飾ってみました-と写真が送られてきました。「今となっては遅きに失した感あり、ですが、お雛様を眠らせつづけていたので貴女がお嫁に行けなかったのかも、、、。」という余計なメッセージまでついておりました。久しぶりに日の目を見た私のお雛様とお内裏様が箱から出られた嬉しさでパワー全開、効能満点で、私がお嫁にいけたらすごいことです。***
((大矢))