2012-09-12
H1Bビザについて
リクルーター体験談:
学生の皆様の就職活動をお手伝いするにあたって、よく感じることが、H1Bビザ取得の難しさです。最近ではビサスポンサーしてくださる企業が減っていることもありますが、ビザ申請基準が厳しくなっている傾向もあり、「ビザを取るのってこんなに難しかったんだ・・・」という学生の方のつぶやきをよく耳にします。卒業後もアメリカに残りたいと考えている方にとっては非常に切実な悩みですが、では、具体的にどのような対策があるのでしょうか?
Q. 具体的に 「H1B」ってどういうこと?
OPT期間終了後もアメリカに残って働きたいとお考えの方のためには、一般的にH1Bビザ、いわゆる専門職ビザの取得という選択肢があります。
H1Bビザの取得のためには、そのビザをスポンサーしてくれる企業への就職がまず第一歩になります。また、その企業で働く場合に、自分の職務が4年制大学卒業レベルの専門知識を必要とする専門職でなければなりません。「営業」「事務」「秘書」などは4年制大学を卒業しなくてもできる職業と見られてしまうため、専門職にはならないのでご注意を!例えば、会計士、エンジニア、ファイナンシャル・アナリスト、マーケット・リサーチャーなどがよく認められているH1B専門職です。
Q. 誰でも申請できるもの? それとも何か資格が必要?
H1B ビザの申請に関しては、下のようなバックグラウンドを持っていることが最低条件となってきます。
① 4年制大学卒業、あるいはそれ以上の学歴 (もしくはそれに値する職務経験)を持っていること。
② 大学の専攻が、これから働く(または働いている)職務内容に直接関係していること。
実際にH1Bを申請する際には、そのポジションには、その人物の知識と経験が必要だということの証明が必要となります。つまりは自分の専攻と職務内容がどれだけ合致しているか、という点が申請の際の最重要点となってくるのです。
例えば、Accountingを専攻した場合、卒業後H1Bビザを申請できる職種はAccounting関連のお仕事、となります。ご想像がつくように、CommunicationやPsychologyを専攻した場合、そのバックグラウンドが職務内容に直結しないので、Accountingのお仕事ではビザが申請できないことになります。一概には言えないものの、Sociology, Psychology, Communicationといった専攻だった場合、ビザ申請のできるポジションが限られてしまうことは事実です。
ビザのために勉強をするのではないのですが、もしも、卒業後もアメリカに残って仕事をしたいと考えていて、グリーンカード取得などの予定がない場合、慎重に専攻を選ぶことも、就職成功につながります。例えば、Sociologyを専攻しながら、Businessをマイナーで取るなど、ということも、将来の選択肢を増やす結果になることがあるのです。
Q. 有効期限ってあるの? 転職は可能?
H1B ビザの有効期限は、まず申請してからの3年間。その後、延長が可能なのでプラス3年間で合計6年間です。その6年間は、転職ももちろん可能。ただし、よく転職をする時にH1Bビザの「トランスファー」という言葉を使いますが、厳密に言うと新しい雇用先にスポンサーをしてもらい、改めてH1B ビザを取り直す形となります。
アメリカでの就職の確立を高めるためにも、H1B取得に向けた計画は学生時代より、念入りにすることをお勧めします。